2023年10月12日14:55
ネットスターズは、世界的に決済ソリューションを提供するWorldpay from FISの日本法人であるWorldpayと協力し、国内外で64施設を運営するホテル業界大手の藤田観光に、 マルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」をホテル向けに発展させた決済ソリューションを提供し、2023年9月より試験運用を開始、11月1日より本格導入すると発表した。今後は、藤田観光の全ホテルでの運用を目指す。バーチャルカード番号(VCN)を使っての請求・支払い業務に特化した海外のトラベルエージェントと国内ホテルをつなぐプラットフォームの開発・提供は、日本初となるそうだ(同社調べ)。
同ホテル向け決済プラットフォームサービスの導入により、宿泊施設は海外のオンライントラベルエージェント(OTA)および海外トラベルエージェントとの取引発生時の精算業務を、Mastercardが提供するMastercard バーチャルカード番号(VCN)を通じて対応・処理できるようになる。特に日本国内で決済手段がなかった海外トラベルエージェントとの請求・消し込み業務をWEBサイト上で一元管理でき、また、新規に取引を開始する海外トラベルエージェントとの間でもVCNでの入金管理とすることで預り金管理などの業務負荷も大幅に削減できるそうだ。
ホテル各社は、インバウンド需要を取り込む一環で海外トラベルエージェントとの取引を拡大する傾向にある。一方で海外旅行エージェントは、日本以外の各国とは日本で一般的な銀行経由の海外送金ではなく、VCNを使って支払う傾向があり、日本のホテルでのVCN対応は、海外トラベルエージェント側からの要望として課題になっていた。
さらにクレジットカード決済の一種であるVCNでの支払いを日本のホテルが受け入れるには、クレジットカード情報の管理等のセキュリティ面の課題、実際に精算・経理業務を担う担当者の業務負荷といった運用面の課題があり、ホテル側としてはそのまま取り入れるのは難しいという状況にあった。
ネットスターズとWorldpayは、Worldpayの決済サービスとネットスターズのマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」を接続。さらに藤田観光のユーザー目線での意見を取り入れてホテル向けの決済プラットフォームサービスに発展させた。同サービスを利用するホテルは、OTAを含む海外トラベルエージェントとの精算業務にVCNでの決済に対応できるようになることで、インバウンド需要の取り込みにさらに力を入れることができるそうだ。ネットスターズは、クラウド型サービスとして提供することで導入ハードルを低くし、ホテルに提供していきたいとした。
今後は同プラットフォームと観光業界の既存サービスや予約システム等と積極的に連携することで、観光庁が掲げる観光DX(デジタルトランスフォーメーション)にも貢献していきたいとした。