2023年12月27日8:00
【ネットスターズビジネスカンファレンス開催レポート1】
キャッシュレス決済サービスとDX(デジタルトランスフォーメーション)サービスを推進するネットスターズは、2023年12月6日、同社の事業戦略と業界の最新動向を紹介する「ネットスターズビジネスカンファレンス」を開いた。当日は同社の国内での実績やパートナー支援、グローバル展開の取り組みを紹介した。
2023年は流通総額1兆円見通しの「StarPay」
DXの分野でも多くのプロダクトを市場投入
「キーノートセッション」では、ネットスターズ取締役COO事業統括本部本部長の長福久弘氏が登壇し、「これまでのネットスターズ、そしてこれからのネットスターズ」についてプレゼンテーションした。
2015年からスタートしたマルチキャッシュレス決済ソリューションの「StarPay(スターペイ)」は、現在は全国で日々行われる決済を支えている。2021年からは、StarPayを基盤に、DX、グローバルなどの領域でも、さまざまなプロダクトを提供し、現在は30超のプロダクト・サービスをリリースするまでに成長した。
「お金の流れを、もっと円(まる)く」は、2022年に打ち出したコーポレートミッションだ。ネットスターズのお客様のビジネスを円滑にすることを使命としている。サブタイトルには、「お金の流れをもっと便利で快適にもっと効率的にもっと安心安全に」というサービスにかける思いが込められている。
長福氏は「法規制もあり、あらゆる面で摩擦が起こりやすいお金にまつわる問題を、先進的なテクノロジーとグローバルな視点を持ち、これまで培ってきたさまざまな知見をミックスして、世の中の滑らかな循環を目指していきます」と意欲を語った。
StarPayを中心に、StarPay-Global、StarPay-DXを加えた3つの分野で成長を続けている。
スターペイの流通総額はコロナ禍の2020年に半分に落ち込んだが、その後市場の拡大に伴い大きく成長し、2023年は流通総額1兆円を超える見通しだ。
「QRコード決済のほか、クレジット、電子マネー、ポイントサービスを連携したマルチペイメント化を進めています。ここまでビジネスが拡大できたのは、パートナーの存在が大きいと思っています」と感謝の意を示した。
種類豊富なDXプロダクト展開
世界のトレンドも取り入れつつ
グローバルビジネスも取り組む
最新トピックスとして、11月30日で終了した「かながわPay」第3弾は、アプリダウンロード数は累計280万を超え、アップルストアランキングファイナンス部門で3位に輝くなど、自治体アプリでは最大級に成長するなど成功を収めた。
「LINE」アプリ上で展開する抽選・ガチャ機能を持った「LINEミニアプリ」も好調だ。イベントや来店にガチャ機能をミックスすることでアクション率が上がり、LINE上の友だち登録数やアクティブ数の向上に寄与している。
グローバルビジネス事業では、モンゴルから始まった海外OEMサービスが、カタールとカンボジアでも展開するなど広がりを見せている。現地の大手銀行と提携し、StarPayのシステムを各国で展開している。
これからのネットスターズについて、長福氏は「Web3や、ChatGPT(チャットGPT)など、未来を変える技術革新の大きな波が押し寄せています。この事実をしっかりと受け止め、未来を予測し、ビジネスのあらゆる判断を下さなければなりません。そのヒントとなるキーワードが“グローバル(GLOBAL)”です。世界で何が起こっているのか、ビジネストレンドを理解するだけで成功の確率は格段に上がります」と話した。
韓国BC Cardの「Paybook」国内初導入にむけて提携
タイの「PromptPay」の日本国内での
インバウンド利用拡大に貢献
この後、「セッション1」では、BC Card Global Business Division N2N Team Senior Managerのジョシュア・リー氏と、三菱UFJ銀行シニアフェロートランザクションバンキング部長の松本雅弘氏が登壇し、「今、注目の海外決済」をテーマに、韓国とタイのキャッシュレス決済の最新事情についてネットスターズ事業統括本部Global Business事業部事業部長の福山太郎氏とともに紹介した。
ネットスターズはこの日のカンファレンスに合わせ、韓国のBC Cardが運営するe-Walletサービス「Paybooc(ペイブック)」と契約を締結したことを明らかにした。ペイブックのQRコード決済サービスが、日本での支払いに利用できるようになる。ペイブックの日本展開は初めて。ペイブックは2017年にサービスを開始した。2023年会員数は900万人で、平均マンスリーアクティブユーザー数は約400万人。BC Cardは韓国のクレジットカード会社で、カードの発行や韓国最大のクレジットカードプロセッシングを行っている。
リー氏は「今回のネットスターズとの提携は、訪日韓国人が日本での支払いができるという、韓国から見るとアウトバウンドですが、今後はインバウンドの訪韓外国人の決済の対応も広げていきます。ネットスターズとの連携によって、訪問先として互いに人気の高い韓国と日本の関係を強めていきたいです」と話した。
一方、松本氏は2018年、三菱UFJ銀行の子会社であるアユタヤ銀行に赴任しているときに、「PromptPay(プロンプトペイ)」の拡販に関わった。プロンプトペイは、タイの国家成長戦略の一環として2017年にスタートした電子決済システムだ。プロンプトペイに参加する複数の銀行が利用できるのが特徴で、対象銀行の口座を持つユーザーであれば、誰でもその銀行のアプリを介して、QRコード決済、送金ができる。
松本氏は、今後の戦略について、「プロンプトペイも、クロスボーダーQRを視野に入れています。現在はネットスターズと提携して日本国内での加盟店利用を拡大しています。2025年の大阪万博を視野に、さらに加盟店を拡大していきたいと考えています」と話した。
なお、ネットスターズはさまざまなインバウンド決済の日本導入を支援しつつ、海外でも同様にサービスを広め、クロスボーダー決済の拡大に貢献していくという。
■お問合せ先
株式会社ネットスターズ
東京都中央区八丁堀3-3-5
住友不動産八丁堀ビル3・4F
URL:https://www.netstars.co.jp/
お問い合わせ:https://www.netstars.co.jp/contact/