2024年1月31日8:50
セキュリティ・トークン(以下、ST)/デジタル証券の発行・ライフサイクル管理プラットフォームを提供するSecuritize Japan とデジタル通貨事業を行うディーカレットDCPは、デジタル通貨で決済する公募自己募集型デジタル証券の提供に向けた連携を開始すると発表した。
同デジタル証券を活用することで、今後より多くの事業会社においてファイナンスとマーケティングの新たな融合が期待できるという。SecuritizeとディーカレットDCPは、ビジネスモデルや業務フローの策定、同デジタル証券に関心がある企業への説明等を連携して行う。
2022年6月にSecuritizeは国内事業会社初の公募自己募集型デジタル社債発行にプラットフォーム(以下、Securitize PF)を提供開始した。同取り組みは、発行体による投資家との直接的なコミュニケーションを可能にし、ファイナンスとマーケティングの融合という新たなモデルを示したそうだ。一方で、多くの事業会社にとっては、自らデジタル証券を募集するためには新たに体制構築が必要となる場合もあり、実施に向けたハードルが高い側面があった。このような課題を解決するため、Securitize PFをディーカレットDCPのデジタル通貨と組み合わせることで、募集にかかわるさまざまな業務を自動化し、負担なく実現可能な公募自己募集型デジタル証券を提供すべく、SecuritizeとディーカレットDCPの2社で連携を開始することとなった。
同デジタル証券では、従来の銀行振込ではなく、デジタル通貨を用いて代金の払込み(引落)や分配償還金の支払いを行う。これにより、本人確認や支払先の銀行口座の確認、決済等で必要とされていた業務がさらに自動化され、より容易にデジタル証券の募集が可能となるそうだ。
各社の役割として、ST発行体がデジタル証券を募集・発行、ST投資家への割当て、ST投資家が、同デジタル証券の応募への申込み、購入代金の支払い、STの取得、SecuritizeがSecuritize PFの提供、ディーカレットDCPが電子決済等代行業者として銀行へのデジタル通貨の移転指図を伝達、および銀行に対するデジタル通貨プラットフォームの提供、銀行がデジタル通貨プラットフォーム上でデジタル通貨の発行、為替取引の提供となるそうだ。
今後SecuritizeとディーカレットDCPは、同デジタル証券の提供に向けて、発行体希望企業やその他関係会社への説明と議論、スキームや業務フローの具体化、法務調査や契約書雛形作成、システム連携部分の開発を進める。
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ペイメントナビ編集部
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