楽天銀行と住信SBIネット銀行、それぞれのBaaSプラットフォームの捉え方は?

2024年2月19日8:00

住信SBIネット銀行のBaaS(Banking as a Service)の提携先が合意済みも含め20社に到達し、今後もさらなる伸びが期待されている。また、楽天銀行では今春からJR東日本およびビューカードと連携した「JRE BANK」のサービスが開始される予定だ。2024年3月期の第3四半期決算説明会、および質疑応答から、それぞれのBaaS事業のスタンスについて紹介する。

楽天銀行は口座数1,500万を突破
デビットは決済増も加盟店手数料減に

楽天銀行は2024年3月期第3四半期決算説明会を2024年2月13日に開催した。楽天銀行 代表取締役社長 永井啓之氏は2月11日時点で口座数が1,500万を突破したと発表した。

また、経常収益は1,010億円、経常利益は3,520億円、ROEは13.9%となった。12月末時点では1,470万口座、前年同期比10.2%増となっている。あわせて、メイン口座比率は31.4%となった。預金残高は、2023年12月末時点で10兆3,000億となり、前年同期比16.6%増だ。

口座数は今年1月からの新NISAを控え、楽天証券経由の申し込みが増えた。コロナ禍に残高を減らしたカードローンはアフターコロナに入り、順調に残高が積み上がっている。

非金利収益は受取為替手数料、口座振替手数料、カード関連受取手数料がある。カード関連受け取り手数料は、デビットカードビジネスのから受け取る手数料だ。永井氏は「デビットカードのトランザクションについては順調に増加していますが、キャッシュレスが進んでおりますので業界全体としていわゆる加盟店手数料が下がってきており、その結果カード受け取り手数料については2.0%増となりました」と話す。

住信SBIは№1を自負、JALで獲得口座3.1倍
楽天銀行のJRE BANKの準備状況、BaaSのスタンスは?

住信SBIネット銀行 代表取締役社長(CEO)円山 法昭氏は戦略事業と位置付けるBaaS事業の捉え方を語った

1月29日には住信SBIネット銀行も2024年3月期の第3四半期決算説明会を実施。注目されるBaaS口座数は前年同期比+100.6%の130万8,000口座、預金残高は5,831億円と高い伸びとなった。経常利益は前年同期比+280%の26億円だ。同社ではBaaS事業を戦略事業と捉えており、NEOBANK、AI審査、セキュリティという3つのセグメントがある。フルバンキングのBaaSである「NEOBANK」に加え、AI審査モデルを9以上の金融機関にサービス提供している。また、セキュリティ事業は子会社のネットムーブを中心にFIDO準拠の生体認証サービスなどを100以上の金融機関に提供している。住信SBIネット銀行 代表取締役社長 円山 法昭氏は「現段階ではFIDOに準拠した認証が最も世界標準に近いだろうと考えています」と話す。

フルバンキングのBaaSに関しては、「口座数、提携者数ともに№1であると自負しています」と円山氏は話す。NEOBANK収益はオープンハウスなど住宅ローン関連サービスが伸びた。足元では15社がローンチ済であり、提携合意済みの5社を含めると、20社が確定している。もともと来年度20社を目標としていたが、すでにその数字は達成できており、25~30が次のターゲットとなると第2四半期の決算説明会で説明している。

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