欧米のバーチャルカード(仮想カード)(1)バーチャルカード(仮想カード)とは

2025年1月7日8:00

欧米では、物理的なカードを発行せずに、デジタル形式で発行されるバーチャルカード(仮想カード)のみの発行を行うケースが増えている。バーチャルカードには、VisaやMastercard、アメリカン・エキスプレスなどの国際ブランドのクレッジットカードのほか、同様のカードブランドのデビットカードやプリペイドカードといったペイメントカードがラインアップされている。こうしたバーチャルカードには、クレジットやデビット、プリペイドといったペイメント機能だけでなく、スマートフォンの普及に伴って、個人向けのバーチャルカードであるオールインワン型の多機能のバーチャルカードが人気を博している。一方、ビジネスカードとかコーポレートカード、パーチェシングカード(購買カード)と呼ばれている企業や事業者を対象としたクレッジットカードやデビットカードといったペイメントカードのバーチャルカードが、今欧米で注目されている。

今回は、こうした欧米のバーチャルカード(仮想カード)について、次の5つのテーマでレポートしてみたい。

和田文明

(1)バーチャルカード(仮想カード)とは
(2)バーチャルカードのテクノロジー
(3)バーチャルカードとAI(人工知能)
(4)オールインワン型バーチャルカード
(5)企業、事業者向けのバーチャルカード

<参考文献・資料>
・Virtual Cards: How companies can unlock the Euro 5 trillion bionic B2B opportunity、The Payments Association
・Payments AssociationのHP
・N26のHP
・RevolutのHP
・MonzoのHP

1、バーチャルカード(仮想カード)とは

欧米において、バーチャルカード(仮想カード)は、その高い利便性と安全性から、急速に普及している。欧米のバーチャルカードの第1回目は、まずバーチャルカードと何かを確認し、次いでバーチャルカードのメリットなどについて紹介してみたい。

バーチャルカードとは、コンタクト、コンタクトレス機能を有するICチップや磁気ストライプが付いた物理的なカードを有せずに、デジタル形式で発行されるクレジットカードやデビットカードなどのペイメントカードのことである。こうしたバーチャルカードは、オンライン取引や特定の支払いに使用され、通常は一回限りの使用や特段の金額に制限される。

バーチャルカードには、物理的なクレジットカードと同様の機能を有し、後払いでの決済が可能な「バーチャルクレジットカード」や銀行口座と紐付けられ、利用金額が口座から即時に引き落とされる「バーチャルデビットカード」、事前にチャージした金額の範囲内で利用できる「プリペイド型バーチャルカード」がある。

バーチャルカードは、主にE-コマースやM-コマースにおけるオンラインショッピングでの決済に広く利用されており、サブスクリプションサービスや定額制サービスの支払い、プリペイドカード型のバーチャルカードを用いたプレゼントとして利用されるギフトカードなど多様な用途に用いられている。

こうしたバーチャルカードには、大きく分けて「オールインワン型バーチャルカード」のほか、「モバイル財布に保存されているバーチャルカード」、「事業者向けのバーチャルカード」の3つのタイプがある。

・オールインワン型バーチャルカード
バーチャルカードを含む、口座管理、投資、保険などさまざまな金融サービスを1つのアプリで提供する主として個人向けのオールインワン型バーチャルカードは、さまざまなサービスとのAPI(Application Programming Interface)連携が容易であり、他のサービスとの連携による新たな価値創出が期待されている

・モバイル財布に保存されているバーチャルカード
GPay(Google Pay)やApple Payなどのモバイル財布に保存されているバーチャルカードは、非接触型取引、オンライン決済、店舗内決済など物理的なカードが受け入れられる場所ならどこでも使用できる

・事業者向けのバーチャルカード
従業員の経費精算の効率化などを図るための企業や事業者向けの法人カードやビジネスカード、パーチェシングカード(購買カード)といった事業者を対象としたペイメントカードのバーチャルカード

事業者向けのバーチャルカードは、導入した事業者に迅速なペイメントプロセス、自動化された照合、支出管理のセキュリティを提供し、企業が市場の変化に迅速に対応し、支出を管理し、競争力を高めるための戦略的な機会を提供することができる。バーチャルカードの導入により、事業者はバックオフィスプロセスの最適化、ペイメントフローの迅速化、サプライヤーのオンボーディングの迅速化、リスクの最小化、詐欺リスクの軽減が可能である。

こうした事業者向けのバーチャルカードは、カードを使用できる時間や、処理できる取引の金額を制御することも可能で、ビジネスオーナー、マネージャー、財務管理者、財務チームによる優れたセキュリティ制御を提供し、バーチャルカードが何に使われているかを正確に把握できるようにすることができる。

欧米のバーチャルカード規制

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