つくば市でビーコン活用の移動支援、ハンズフリー決済のMaaS実証実験

2025年2月14日8:30

一般社団法人つくばスマートシティ協議会、関東鉄道、今川商事、日立製作所は、医療・健康支援施設(WIT)に来所する障がい者(知的障害、発達障害等)の 公共交通機関による移動をビーコン技術により捉え、決済まで行うハンズフリーチケッティングで支援する取り組みを進めている。同実証は4日間にわたり行われているが、2025年2月12日には現地での取材会を開催した。

ハンズフリーチケッティングに共同で取り組む
障害のある人でも不安ない公共交通利用を目指す

つくば市では、スーパーサイエンスシティ構想を掲げており、必要なとき、必要な 場所へあらゆる移動手段を提供する「つくばスマートモビリティ」の実現に向け た取り組みを進めている。その一環として市内のあらゆる交通サービスをシームレスに接続するハンズフリーチケッティングの社会実装を目指しているそうだ。この早期実現のため、つくば市、筑波大学、関東鉄道、今川商事、つくばスマートシティ協議会を構成員としてつくばハンズフリーチケッティング共同事業体を設立し、取り組みを進めている。

ハンズフリーチケッティングは、ビーコンによる信号の受信を利用して、カードやデバイスなどを機器にかざすことなく、通信・決済することを目指す技術だ。つくば市 政策イノベーション部長 高橋安大氏は「ハンズフリーチケッティングを活用することで、例えば障がいのある方でも、公共交通を不安なく利用をいただくことで、自家用車に偏らない自由な移動を提供する社会を実現できるものと期待しております」と話す。また、見守り機能を使うことで、より安心にもつながるとした。高橋氏は「誰1人取り残さない包摂性のある社会の実現を目指しています」と述べる。今後ハンズフリーチケッティングの社会実装、そしてつくばスマートモビリティの実現によりすべての市民に移動の自由を提供できる社会を目指していきたいとした。

筑波大学教授の鈴木健嗣氏は「ビーコンという技術は、他でもいくつか使われていますが、確実にこの技術は未来です」と話す。例えば、バス停ではさまざまなバスがひっきりなしに来るが、間違ったバスに乗らないことが保証できれば、移動支援の道がひらける。また、実験に参加している関東鉄道では自動運転にも取り組んでいるが、安心・安全・快適なサービスが実現できると期待した。

バス停のビーコン
施設内のビーコン

ハンズフリー決済の有用性検証
家族は移動情報のリアルタイム確認が可能に

つくば市では2023年度、ハンズフリーチケッティングの実装に必要な環境の確認、ビーコンを活用した移動 データ生成の検証を目的に、スマートフォンアプリを活用した実証実験を実施している。2024年度は、移動データに基づいた公共交通機関の利用と、施設の利用における料金計算、決済システム連携による事後払いまでを含めた仕組みを検証している。参加者は最寄りのバス停からWITに移動する際の関東鉄道バスに、整理券の発券や IC カードのタッチをすることなく乗車可能だ。家族に加え、施設職員の介助負担を軽減する見守りサービスの有用性の検証を目的とした実証実験となっている。

バス利用者の見せ券を表示して乗り降りする

同実証は1月22日、25日、29日、2月12日の4回実施。障がい者モニター1名に対し、移動サポーター1名と実証関係者1名の3名で構成され、移動を行う。各モニターは自宅近くのバス停から病院の最寄りのバス停までバスで移動し、そこからWITまで徒歩で移動する。移動履歴データや各種アンケートにより、ハンズフリーシステムの利便性、見守り理ステムの有用性、障がい者の自立生活支援への貢献度を測定・検証している。

今回はビーコンをバス停やフィットネスジムなど60個設置。ハンズフリーチケッティングでは、日立製作所支援の下、専用のスマートフォンアプリを用いて、バスの乗降や医療・健康支援施設WITの利用をサポートし、利用履歴に基づいた事後精算、割引、決済の仕組みを提供している。

見守りサービスでは、ビーコン活用で、家族や施設管理者にユーザーの位置情報を提供し、屋内外問わず高精度な見守りサービスを実現する。具体的な検証として、ハンズフリーによるストレスのないバス乗降や決済、往路・復路の公共交通利用や施設利用の利用履歴からの割引や事後決済、金銭保持により事故防止などを検証する。

保護者の見守りサービスは、URLやQRコードからWebブラウザでアクセスできる。モニターは家族などの現在の位置をリアルタイムで確認可能だ。例えば、自宅の最寄りのバス停から病院もよりバス停の乗車状況、バス停~桐の葉モール間の屋外徒歩移動の位置、桐の葉モール内の屋内の詳細な位置や施設の滞在時間を確認できる。今回の実験に協力している増田幸治さんは、これまで息子の移動時に送迎を行っていたというが、同技術により一人での移動が可能となり、移動情報を可視化するすることで、見守ることもできると期待した。

また、施設管理者向けの見守りサービスでは、実証参加モニター5名の位置やバス移動状況をリアルタイムで確認可能だ。

2種類のビーコンを活用、正確な検知に向け調整
市内4,000カ所の設置目指す、課題は?

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