2026年1月14日8:00
NTTドコモでクレジットカード(dカード)事業の推進やFinTechサービスを担当している常務執行役員コンシューマサービスカンパニー統括長の江藤俊弘氏はペイメントナビのインタビューに応じ、サービス開始からおよそ1年という短い期間で100万会員を突破した「dカード PLATINUM」の魅力と今後の展開をはじめ、通信会社が展開する「生活に寄り添う金融サービス」などについて語った。

dポイントクラブ会員数は1億以上 金融サービス群をワンストップで提供
―― 現在のdポイント、d払いの公表数値は? 江藤:dポイントクラブの会員数は1億以上です。稼働率は社外には公表していませんが、多くのお客様にご利用いただいています。現在までのd払いの登録者は、累計7,004万人です。事業部が注視しているマンスリー・アクティブ・ユーザー(MAU)も順調に推移していますが、公表はしていません。かなり普及した手応えは感じていますが、日本市場のバーコード決済ではPayPayの存在感は大きく、追いつき追い越せと社内で檄を飛ばしています。
―― 2002年から一貫して金融決済分野を担当しているが、利用者のニーズの変化は? 江藤:様変わりしたなと思っています。電話会社による金融サービスは、コンテンツ代金を電話料金に充当して回収する回収代行で、コンテンツビジネス事業者から、加盟店手数料に該当するような手数料を頂戴するのがオリジナルのビジネスモデルです。その後、各社とも決済事業、クレジットカード事業に乗り出しました。当社は2006年、電話事業のサブ事業のような形で、電話料金を「DCMX」(※1)で決済すると、ポイントを還元するサービスから始めて、それがdカードに変わりました。当社はこの3年くらいで大きくビジネスモデルが変わりました。d払いも決済の領域でしたが、3年前にオリックス・クレジットを買収して無担保ローン分野に本格的に参加したほか、マネックス証券をM&Aして事業領域を広げました。今年は住信SBIネット銀行を買収(※2)して、11月1日から連結化して、いよいよ銀行市場に乗り出し、本格的に金融サービス群をワンストップで提供できるようになりました。他社の経済圏に品揃えで追いつき、見える景色が変わりました。
※1 DCMXはNTTドコモがかつて提供していた携帯電話を活用したクレジットサービス ※2 2026年8月3日から住信SBIネット銀行はドコモSMTBネット銀行に名称変更となる
クレジットカードは1,800万以上発行 ゴールド以上の会員獲得が好調
―― キャッシュレスブームは還元率競争からロイヤルティユーザーへ変化し、d払いも還元よりも稼働率を重視している。 江藤:キャッシュレス市場は右肩上がりで、市場の成長を超える成長を目指しています。契約者やMAUを増やすことを目指しており、伸びはやや鈍化しているものの右肩上がりで契約者もMAUも伸びています。まだ成長の余地はあるし、この流れを続けていきたいですね。クレジットカードは1,800万以上発行しており、いずれ天井が来ることに備え、利用促進やメインカード化の取り組みを始めている状況です。クレジットカードは高額で利用し、バーコードは少額でもよいということで、両方を合わせて使っていただけるように、d払いの裏のところでクレジットカードのdカードを設定してもらうなど、重複利用によるカバレッジを狙っています。

―― dカード1,800万人の内訳について聞きたい。 江藤:1,050万がゴールドカード、107万人がプラチナカードで、残りがレギュラーカードです。ゴールド会員が大半を占め、年会費をいただきながらビジネスを有利に展開できています。
―― プラチナの100万人達成は想定よりも早いのか。また、利用者の傾向を聞きたい。 江藤:11カ月ちょっとで100万を達成しました。これは、私の知っている限りでは類を見ないスピードです。これまでゴールドを扱っていた人がランクアップして、プラチナに入っていただいています。ドコモのヘビーユーザーであり、最大限の特典を受けたいといという傾向が強く、ゴールドの特典に飽き足らず、プラチナならではの還元率やステイタスに反応されている方もいると思います。月額利用額はゴールドに比べても高額で、より使っていただいています。

条件にもよりますが、月の電話料金の請求額の20%までポイントで還元する特典が大きな魅力につながっています。電話料金は毎月還元されるサービスであり、そういうものを持っていない銀行系カードと比べても、通信会社のクレジットカードの強みになっています。プラチナカードを設計するときに、何を特徴にするべきか、喧々諤々の議論をやったのですが、ゴールドが10%のdポイントが戻ってくるという特典が、ショップなどのスタッフに聞いても一番セールストークしやすい、ということでしたので、電話料金の還元率にこだわりました。買い物をしていただくという前提条件がありますが、思いのほか認知も高まり、早期に100万人に到達しました。
コード決済はさらなる利用を目指す iDは利用者はロイヤルティが高い
―― エンタメ領域とのプラチナ連携について構想はあるのか? 江藤:飽きられないように、さまざまな特典を追加していく予定です。エンタメとカード利用は相性がいいので、dカード会員の特典では、IGアリーナでの優先チケット販売などがありますが、同様のサービスも進めていきたいですね。
―― コード決済の「d払い」、非接触決済「iD」とのシナジーについては? 江藤:コード決済は思っていたよりかなり普及しました。JR東日本さんも「teppay」を発表されましたが、コード決済が国民に普及している証左ではないでしょうか。今後、取り組んでいかなければいけない課題であると思っています。iDは、FeliCaを使ったオリジナルの決済で、電子マネー型もあります。ブランドのタッチ決済の立ち上がりが早く、急速に広まっていますが、お客様が利用シーンに応じて使い分けられるようにすることが大事です。iDはメインユーザーが男性の30代、40代ですので、古くから使っているお客様も多く、ロイヤルティが高いです。支払い時の雰囲気によってはVisaのタッチ決済などを使っていただいたとしても、dカードの決済と言う意味では当社にも収入が入ります。どちらかを選択するというよりも、使い分けです。
―― 昨今発行が増えている金属製のメタルカードを発行する予定は? 江藤:流行ってきているなと実感はしています。もし、プラチナカードの上位カードを作るとなった時には、メタルカードという選択肢もありますが、現時点で決まったことは何もありません。お客様のニーズがあるのであればチャレンジしてもいい。
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