2013年3月7日14:40
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)はこのほど、「女性の社会進出度調査(MasterCard Worldwide Index of Women’s Advancement)」の最新版を発表した。同調査結果から、アジア/太平洋地域における企業や政府機関の女性管理職には、依然として厚い壁に阻まれていることが判明したという。
「女性の社会進出度調査」は、アジア/太平洋、中東、アフリカ地域において、社会経済的観点から見た女性の水準を数値化したものである。指数は、「雇用(労働力参加、正規雇用機会)」、「教育(中等教育、高等教育)」、「リーダーシップ(事業所有、企業管理職、政府機関管理職)」という3つの項目とその下位項目から構成され、各項目において、アジア/太平洋地域の14市場における男性100人に対する女性の比率を数値化している。
指数は100を基準とし、それぞれの市場において、女性が社会経済において、どの程度男性と同等の立場にいるかを示している。スコアが100以下の場合は男性優位を、100以上の場合は女性優位を表す。
アジア/太平洋地域の14市場の中で、総合指数はニュージーランドが最も高く(77.8)、以下、オーストラリア(76.0)、フィリピン(70.5)、シンガポール(67.5)、台湾(64.7)の順となった。一方、指数が特に低かったのは、インド(38.0)、日本(48.1)、韓国(49.7)で、これらの国で男女平等への取り組みが不足していることを示しているという。
今回の調査から、アジア/太平洋地域で雇用機会や高等教育を受けた女性は増加している一方で、政府機関や企業での昇進を目指しても、依然として厚い壁に阻まれていることがわかったそうだ。
雇用指数が91.2のニュージーランドは、労働力参加の指数が、アジア/太平洋地域で最も高く、正規雇用についても男性100人に対し女性は90人を超えた。企業および政府機関における女性の管理職昇進についての指数も域内で最も高く、リーダーシップ項目全体の指数は51.6となった。
中国、香港、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、タイ、ベトナムの7市場では、中等・高等教育機関の進学率において、女性は男性の割合と同等、ないしは男性を上回った。
一方、企業および政府機関における女性の管理職については、依然として低い指数となっている。
今回の調査で、企業および政府機関の男性管理職100人に対する女性管理職の割合が50人以上となったのは、ニュージーランドのみだった。アジア/太平洋地域において、オーストラリア(49.7)およびフィリピン(45.6)は、男性の管理職に対する女性の管理職の割合が半数に近い結果となった。一方、同カテゴリーにおいて、インド(15.9)、日本(14.8)、韓国(17.5)、タイ(18.6)はとりわけ低い結果になっている。
MasterCardは、「家計における購入優先度調査」の教育に関する項目で、女性の社会的地位を向上させるために最も必要な取り組みについて質問している。最新の調査結果によると、アジア/太平洋地域の女性は、女性の社会的地位向上に最も役立つ施策として、「差別是正措置」(17.1%)と「女性議員の増加」(13.7%)を挙げている。オーストラリア、日本、韓国の女性の回答では「育児手当の支給」がトップを占めた。
一方、中国、マレーシア、台湾の女性は、男女平等社会の実現には「中小企業経営への女性の進出」が最も重要であると考えている。
なお、MasterCardは、3月28~29日にマレーシアのクアラルンプールで開催されるWomen in Leadership Asia(WIL) Forum 2013のスポンサーを務めるという。