2013年10月15日7:04
凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)は、2013年10月11日、カード会社、百貨店、家電量販店、GMS・スーパーマーケット、アパレル、旅行会社、映画など、ギフトカードを発行する顧客企業を対象に、第6回「ギフトカードサービス」ユーザー会を東京都港区のAP浜松町で開催した。
凸版印刷と富士通FIPが展開する「ギフトカードASPサービス」は、ギフトカードの残高管理を行うリアルタイムプロセッシングサービスとなる。事業自体も8年目を迎え、導入企業の増加と利用者への認知の高まりとともに、ビジネスも起動に乗り始めているそうだ。
今回のユーザー会の開催の趣旨は、①「生活者視点に立ち、ギフトカードサービスの向上と普及を目指す」、②「情報や知恵を共有し、お客様と互いにギフトカード事業の成功を目指す」、③「ギフトカード市場全体の成長と発展に貢献する」、3つとなる。
冒頭あいさつした凸版印刷 情報コミュニケーション事業本部 トッパンアイデアセンター 新事業開発推進本部 本部長 名和正道氏は、「弊社と富士通FIPの共同の事業も8年目、ユーザー会も6回目となりました。昨年あたりからギフトカードという名称になじまないような小額決済の環境変化が起こってきています。1つはスマートフォンの普及に伴いO2O、小売業でいうとオムニチャネルなど、いつもで情報接触から購買行動までできる状況が小売・サービス業に与える影響は大きいと思います。消費者側からみると集客に関するお得情報から店内にかかわる販促情報、決済に付帯するポイント、継続的なCRMまで1つのデバイス、1つのアプリで実現できてしまう時代になっています」と環境の変化を口にする。
また、2013年7月に公表された資金決済法の事務ガイドライン改正に伴う対応が求められるが、「弊社が提供するサービスと発行会社側が連携することにより、品質の高いサービスを提供することが重要となります」と名和氏は説明する。「ギフトカードASPサービス」は、情報セキュリティの外部格付機関であるアイ・エス・レーティングより、17段階中最高位であるAAAisの評価を取得しているように、セキュリティ面も強化している。
最初の講演では、富士通エフ・アイ・ピー アプリケーションサービス推進部 厚東たゆま氏が、「プリペイドカード・ギフトカード消費者アンケート調査」の結果を発表した。これによると、業種・業態別にみても、ギフト・プリペイドカードの全体的な利用実績と認知度は高まっているそうだ。また、若年層ほど認知度は高いが、利用実績は年齢が高い人ほど多い傾向にあるという。
続いて、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc(アメックス) インターナショナル・ペイメント・オプションズ 部長 大川税氏が、米国でウォルマートと提携して発行するプリペイドカード「Bruebird(ブルーバード)」について紹介した。Bruebirdは、支払いや送金に利用可能なデジタル決済プラットフォーム「Serve(サーブ)」とプリペイドカードが紐づいたサービスとなり、誰でも保有・利用できるのが特徴となる。87%の利用者が新規のユーザー、会員の47%が35歳以下といったように、これまでとは異なるユーザー層にサービスを提供できているそうだ。なお、アメックスは、2013年2月から、百貨店以外の企業では初めて「百貨店ギフトカード」の発行を開始。まだ、同カードを発行していない百貨店を中心に発行を支援しているが、すでに最大のイシュアとなっているそうだ。
その後、凸版印刷 ニューペイメント推進本部 日沼雄一氏が、「ギフトカード販売枚数拡大について」というテーマで講演。タリーズや髙島屋、上新電機といった企業が実践する事例を参考に、ギフト・プリペイドカードの販売枚数拡大に向けての秘訣を公開した。また、凸版印刷 カスタマーマーケティング部 苫米地信治氏は、ポイントカード、紙のチラシ、クーポン、キャンペーン等、会員が役立つ情報を1つにまとめたスマートフォンアプリ「お買い物アプリ」について紹介した。最後の講演では、凸版印刷 ニューペイメント事業推進部 課長 飯塚修弘法氏が、「資金決済法 事務ガイドライン」の概要について説明した。
ユーザー会の最後に挨拶した富士通FIP スマートサービス事業部 事業部長 小高信人氏は、「おかげさまでお客様も100社を超え、導入企業の増え方も加速しています」とビジネスの成果を口にした。今後も両社は協力し、ギフト・プリペイドカードの発展に貢献していきたいとしている。
ユーザー会の終了後は、展示会・懇親会も開催。凸版印刷と富士通FIPのスタッフ、参加企業が親睦を深めた。また、会場では、顧客企業が発行するギフトカードや関連ソリューションの展示も行われた。