2014年2月17日8:00
数多くの決済ブランドに対応した端末で、加盟店のニーズに沿ったサービスを目指す
「VEGA5000S」はカラー液晶、Wi-Fi対応、FeliCa検定(Mクラス)クリア、高速CPUで差別化を図る
岡山に本社を構えるネットアライブは台湾のCastles Technologyの販売・開発代理店として、据置・モバイル両方のラインナップしている決済処理端末「VEGA5000シリーズ」、「VEGA7000シリーズ」今後「VEGA3000/Pシリーズ」、MP200(mPOS)非接触ICリーダライターの「QP3000/S」などを提供している。「CCT端末」、「加盟店POS端末」、「ハイブリッド端末(共同利用と直収を一台で処理可能)」など、加盟店の規模やニーズに沿ってさまざまな形態で端末を低価格で提供可能だ。また、非接触分野では「Visa payWave」「MasterCard PayPass」決済にいち早く対応している。(国内で初)
台湾のCastles Technologyの端末を販売
EMVに対応したスマホ決済も検討へ
ネットアライブは、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー端末の処理を行っている。クレジットカードソリューションとしては、共同利用型の「CCT端末」、決済代行事業者で加盟店契約と端末設定を行うことが可能な「加盟店POS端末」、これらの処理と直接自社システムに接続が可能な「ハイブリッド端末」に対応している。
現在の主力製品は「VEGA5000S」。2013年3月の「NFC & Smart WORLD」で初めて展示し、その後営業を強化しているが、「特徴としてはカラー液晶、Wi-Fi対応、NFCとFeliCaが両方利用可能なR/W、CPUの処理速度が従来の製品に比べて4倍になった点が挙げられます。また、MasterCard PayPassとVisa payWave決済についてはカード型/モバイルに対応済み。国内の決済端末事業者でも対応はいち早く行いました」とネットアライブ 代表取締役 前田一也氏は自信を見せる。すでにテスト端末としてはNTTドコモ、ジャックスに端末を提供しているそうだ。
電子マネー対応については、外付けでVEGA5000Sに接続するケースに加え、「VEGAとしてFeliCa検定を取得する予定です」と前田氏は説明する。また、TFペイメントサービスのシンカクラウドに対応し、2014年春頃に「nanaco」と「楽天Edy」、iD/QUICPayに対応する予定だ。
VEGA5000Sは、EMV Level1、Level2、PCI PTSの認定は取得しており、オプションでEMVコンタクトレスにも対応する。今年は、更に小型の決済端末「VEGA3000/P」の出荷も進めていきたいとしている。また、2015年以降、米国で偽造カード不正によるライアビリティシフトが適用されることを受け、今後はEMV対応の決済端末がスマートフォン決済でも主流になると予想しており、それに対応した「PalmPAD(MP200)」端末を提供予定だ。同端末は、接触IC、マグストライプ、非接触決済が行える。端末のサイズも小型で、スマートフォンと同等のサイズとなっており、iPhoneやAndroidとBluetoothで通信してEMV電文で通信可能だ。
「PalmPAD」はCastles TechnologyがMasterCardの依頼を受け製造しており、フランスの展示会『CARTES PARIS 2013』でお披露目されました。国内で使われるJIS2の読み取りにも対応予定であり、ポイント事業者に喜ばれると思います。国内では1万円を切る価格で提供していきたいです」(前田氏)
決済ベンチャーとして地道な営業活動を行ってきたネットアライブだが、年々実績も伴ってきた。すでに、CCT端末としては、情報処理センターのシー・オー・シーのセンターに約1,000台が接続。また、ゼウスやリンク・プロセシングなどの接続事業者にも端末の供給実績もある。
3G回線の強みを生かし地方のスーパー等への導入が進む
端末の設置・保守をテクノトッパンフォームズに依頼
POS加盟店への導入も進んできた。例えば、地方のカード会社と提携し、総合スーパーやショッピングセンターに端末を設置。クレジットカード処理に加え、ポイントカード、オンライン電子マネーを直収しており、KDDIの3G回線で処理を行っている。有線の工事なくシステムの導入が可能なため、カード会社から評価されており、400~500台の端末を設置済みだ。また、他社のクレジットカードについてはシー・オー・シーのセンターに接続。さらに、東芝テックのPOSとの連動も実現しているそうだ。
また、地方のある銀行ではプリペイドカードを発行しているが、同サービスでもVEGA5000が利用されているそうだ。そのほか、大手家具チェーンへの設置も進んでいる。
MasterCard PayPassやVisa payWaveの決済に対応した端末については、三井住友カードと連携し、ビックロ、ラオックス、ヨドバシカメラ、阪急阪神ホテルなどに設置されているそうだ。
決済に加え、ポイント事業者との連携も進んでいる。すでに楽天の「Rポイントカード」の処理に対応しているが、「来年以降、大手に浸透していけば、中小企業にも導入が進むと想定しています。特に地方のタクシーなどは有望な分野であると考えています」と前田氏は期待する。また、クラブネッツ向けに複数のポイント処理が可能な端末を出荷している。
さらに、これまで課題となっていた端末の設置・保守をテクノトッパンフォームズに依頼することで、導入企業に安心して利用してもらう環境を整える方針だ。
大手企業からの引き合いも増加
集客に効果のある端末の提供を目指す
ネットアライブは2013年10月から15期目に突入した。決済端末に特化したのは5年前だが、最近では大手企業からの引き合いも増えているそうだ。今後は、社内体制の整備を進めるとともに、外部企業との連携も深めていきたいとしている。
現状の設置台数は約1万4000台。「まずは、西日本の案件を広げるための接続先や案件から地道にこなしていきたいです。当面の目標は年間1万台ペースで設置することです」と前田氏も意気込む。また、将来的には東日本の企業にも導入を進めていきたいそうだ。
前田氏は、「携帯電話やスマートフォンの進化のように長い間単機能だった決済端末もクレジットカードや電子マネーの処理に加え、集客に効果のある端末の提供を目指しています。それを実現するために頑張りたい」と語り笑顔を見せた。