2014年7月15日8:00キャリアビリングは国境を越えて(Mの時代)
モバイルフォンキャリアを通じた代替モバイルペイメントである「モバイル請求書支払」の“DMB”(Direct Mobile Billing)は使い勝手のよいサービスと言われる。日本でもスマートフォン向けのサービスとして、KDDIの「au かんたん決済」、NTTドコモの「ドコモケータイ払い」、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクまとめて支払い」が展開されている。今後は、世界中で普及するスマートフォンにより、国内でも海外でも自社のサービスを便利に利用してもらいたいと考えるデジタルコンテンツ提供企業は増えるだろう。
アメリカでは、インターネットユーザーの25%がモバイルのみのインターネットユーザーだ。また、アメリカの3,000万人のユーザーが“DMB”(Direct Mobile Billing)による課金サービスを利用しているというデータもある。また、イギリスやドイツにおけるユーザー調査においてもモバイルインターネット利用者の29%が何らかの“DMB”(Direct Mobile Billing)による課金システムを選んでいるそうだ。
海外で展開する“DMB”(Direct Mobile Billing)の主なサービスプロバイダーは、下記のように数多く存在する。“DMB”(Direct Mobile Billing)のサービスプロバイダーの具体的な役割として、デジタルコンテンツなどをユーザーに提供する事業者とその代金を通話料などに加えてユーザーに請求を行う“MNO”との橋渡しを行っている。デジタルコンテンツ等の提供企業は、下記のサービスプロバイダーを通して、世界のさまざまな国で“MNO(モバイル・ネットワーク・オペレーター)”とタイアップし、サービスを提供可能だ。
・ZONG
・Boku
・Text2Pay
・Impluse Pay
・Fortumo
・Jungle Pay
・One Bip
・MACH
・DIMOCO
・Net Size
・Mopay
・Allopass
・Syniverse
・boxPAY
・BANGO
・SMS
すでに、国内でサービスを展開している企業もある。例えば、PayPalでは、グローバルなキャリア決済サービス「ZONG」を提供しており、グリーが「GREE Platform」の海外における決済手段として採用している。また、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは、海外70カ国でサービスを提供するBokuと連携し、PSN/SonyEntertainment Networkにおけるウォレットへの入金方法として、新たにKDDIの「au かんたん決済」およびNTTドコモの「ドコモケータイ払い」に対応している。
現状、“DMB”(Direct Mobile Billing)のサービスプロバイダーの多くはデジタルコンテンツを中心に各国のキャリアと接続するサービスを展開しているが、物販などのサービスも一部ではスタートしている。また、ネットだけではなくリアル店舗での展開も試験的に開始している企業もある。
いずれにせよ、国内でも“DMB”(Direct Mobile Billing)のサービスプロバイダーの役割がさらに高まることは間違いなさそうだ。レポート「モバイルペイメント要覧」では、“DMB”(Direct Mobile Billing)のプレイヤーについても紹介している。