2015年6月3日8:40
矢野経済研究所では、国内のブランドプリペイド市場の調査を実施し、その結果を発表した。調査期間は、2014年12月~2015年3月となり、調査対象は国内の主要クレジットカード会社、ブランドプリペイド導入事業者及び導入支援事業者等となる。
ブランドプリペイド市場とは、Visa、MasterCard、JCBなどの国際ブランド加盟店で利用できるプリペイド決済サービスを指し、市場規模は発行額ベースで算出したという。
その結果、2013年度のブランドプリペイド市場規模(発行額ベース)は、300億円(前年度比200.0%増)と推計。携帯キャリアのブランドプリペイド市場への参入に加え、既存導入事業者が発行するブランドプリペイドの発行額増加で市場は急速に拡大しており、2014年度の同市場(同ベース)は、前年度比395.3%増の1,486億円まで拡大すると予測している。
普及の要因として、国際ブランド加盟のリアル店舗で幅広く利用が可能になったことが挙げられるという。さらに、2014年5月にサービスを開始したKDDIの「au WALLET(エーユーウォレット)」が2015年2月に申込み数累計1,000万件を超え、2015年3月にはソフトバンク・ペイメント・サービスが「ソフトバンクカード」の提供を開始するなど、携帯キャリアによるブランドプリペイドを活用した販促サービスが加速しており、さらなる市場拡大の見込みであるそうだ。
矢野経済研究所では、提携カード型のブランドプリペイドやオンライン専用ブランドプリペイドの発行規模拡大を背景に、携帯キャリアが発行するブランドプリペイドが市場を牽引し、2020年度のブランドプリペイド市場(発行額ベース)は、約1兆4,500億円まで拡大すると予測している。
なお、6月18日開催の「拡大する電子決済市場の現状と今後の注目点」セミナーでは、今回の市場予測を行った矢野経済研究所 ICT・金融ユニット ペイメント担当 研究員 髙野淳司氏が講演。矢野経済研究所では、同市場予測など、主要決済サービス提供事業者及び関連事業者への取材を通して、ペイメントの実態を把握すると共に、今後どのような決済サービスが主流になるかを展望した「2015 電子決済/EC決済サービスの実態と将来予測」(矢野経済研究所のWebサイト)を発行している。決済の市場予測のデータとしては、矢野経済研究所の算出した数値がさまざまな場面で参考とされることが多い。ぜひ、セミナーへの参加をご検討いただければ幸いである。