キーホルダー型の非接触決済サービス「Speedpass」「Speedpass+」を展開

2015年10月9日8:42

QUICPayやnanaco決済が可能な「Speedpass+」で外部でも利用可能に

東燃ゼネラルグループのEMGマーケティングでは、エッソ、モービル、ゼネラルのセルフ・サービスステーション「エクスプレス」を全国に約1,100店舗展開しているが、キーホルダー型の非接触型の決済ツール「Speedpass(スピードパス)」および「Speedpass+(スピードパスプラス)」を発行している。従来の「Speedpass」はエクスプレス内での利用のみであったが、「QUICPay」や「nanaco」としても利用可能な「Speedpass+」の発行により、より幅広い顧客への訴求が可能になったそうだ。

「Speedpass」をエクスプレスで古くから展開
「Speedpass+」はnanacoとしての入会も好調

エクスプレスの非接触型決済ツール「Speedpass」は、シナジーカード(JCB・三菱UFJニコス)および各カード会社のクレジットカードと紐づけて利用できるキーホルダー型の決済ツールとなっている。かざすだけで簡単に決済が可能で、クルマや家の鍵と一緒に付けられるため、持ち運びにも便利に利用できる。

右からEMGマーケティング リテールテクノロジー&カードグループ カードプログラムチームリード 森秀和氏、マネージャー 松澤直行氏、カードプログラム シニアアナリスト 山内高志氏
右からEMGマーケティング リテールテクノロジー&カードグループ カードプログラムチームリード 森秀和氏、マネージャー 松澤直行氏、カードプログラム シニアアナリスト 山内高志氏

EMGマーケティングでは、JCBと提携し、後払い型の電子マネー「QUICPay」およびセブン・カードサービスの「nanaco」としても利用できる「Speedpass+(スピードパスプラス)」の発行を2012年7月より開始。2013年3月からは全国展開をスタートしている。

Speedpass+は、クレジット機能(QUICPay機能)の申し込みの場合、シナジーカード(JCB・三菱UFJニコス)、JCB、トヨタファイナンス、セブン・カードサービスが発行する個人向けクレジットカードに紐づけが必要だ。また、nanacoとして、クレジットカードに紐づけずに発行することもできる。

「Speedpass+」は、エクスプレスSS の店頭で申し込み受付・予備審査までを行い、QUICPay機能を搭載したデバイスをその場で配布。年会費は不要だが、発行手数料として300円(税込)が必要となる
「Speedpass+」は、エクスプレスSS の店頭で申し込み受付・予備審査までを行い、QUICPay機能を搭載したデバイスをその場で配布。年会費は不要だが、発行手数料として300円(税込)が必要となる

「Speedpassはサービスステーション(SS)のみの利用に限られていましたが、お客様からはショッピングで使いたいというご要望もありました。コンビニエンスストアをはじめ、外部のQUICPay加盟店でも便利に利用できるので、Speedpassとは違った会員を獲得可能です」(EMGマーケティング リテールテクノロジー&カードグループ カードプログラム シニアアナリスト 山内高志氏)

現状のSpeedpassはSSでの決済機能のみを提供している。一方、Speedpass+はQUICPayに加え、nanacoとしても利用できるため、エクスプレスSSに併設のセブン—イレブンなどでも便利に利用できる。また過去の利用履歴に応じて燃料油の値引きを適用することも可能だ。

SSでの客単価は数千円のため、当初は数百円の単価が中心の電子マネーを事前にチャージして支払ってもらえるかという疑問もありクレジット機能に軸足を置いてきたが、現在はnanacoとしての入会も好調であるという。nanacoは通常カード型が主流であり、キーホルダー型はそれほどないため、利用者からも喜ばれている。

「nanacoをお使いの方の多くが現金でチャージされており、なかにはクレジットカードの発行を希望されない方もいらっしゃいます。クレジットに紐づくQUICPayに加えて、nanacoが便利に利用できることで、より多くのお客様にご入会いただけると考えています」(同グループ カードプログラムチームリード 森秀和氏)

なお、nanacoでSpeedpass+を手にした人も、後からQUICPayに紐づけて利用が可能だ。また、QUICPayについては、シナジーカード(JCB・三菱UFJニコス)を申し込む際、同時申込みが可能だ。

現在、SpeedpassとSpeedpass+を合わせた累計発行数は約500万本。入会者については、より多くのカードと紐づけることができるSpeedpassのほうが多いが、Speedpass+の発行により、発行枚数は着実に増えている。

「Speedpass」は、米テキサス・インスツルメンツ製のICタグを利用している
「Speedpass」は、米テキサス・インスツルメンツ製のICタグを利用している

現金支払いで「nanacoポイント」付与も展開
2015年秋からはプリペイド電子マネー決済も可能に

また、nanacoを活用した取り組みとしては、2012年7月から「nanacoポイントプログラム」に参加し、エクスプレスにおいて現金支払でガソリン・軽油の給油を行うnanaco会員に、1リッター当たり1nanacoポイントの付与を行っている。

「nanacoポイントプログラムは、給油でnanacoポイントを付与することによりSSとセブン—イレブン間の相互送客を実現すべく導入しました。Speedpass+にご入会いただければ、現金で給油してもポイントが付き、セブン-イレブンでも便利に利用できますので、お客様のリピート来店につながっています」(同グループ マネージャー 松澤直行氏)

なお、エクスプレスではiD、QUICPay、Visa Touch /Smartplusのポストペイ型電子マネーの支払いに早くから対応していたが、2015年秋からはnanacoを始めとしたプリペイド型電子マネーに対応を開始する。

山内氏は最後に、「これからもSpeedpassとSpeedpass+を積極的に発行していきたいと考えています。一般のクレジットカードや現金で給油される方よりも、2倍以上の利用の違いがあるため、より会員を獲得することにより、リピート率を高めていきたい」としている。

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