2015年12月18日8:40
広告や販促メッセージを紹介するメディアソリューションも紹介
Verifone(ベリフォン)は、30年に渡り、2,700万の決済端末を世界中に提供している。また、世界で有名な流通小売店、金融機関や決済プロバイダーなど、150カ国以上の顧客やパートナーを有している。同社が力を入れているのは、決済端末を活用した店舗での消費体験の向上だ。
「Verifone Engage」を紹介
サードパーティのアプリをダウンロード可能
Verifoneは、デスクトップターミナル、PINパッド、モバイルターミナルなどを提供している。モバイルターミナルはタブレットと連動して動作が可能な製品も投入。各製品は、PCI SSCが規定したPIN入力の国際基準「PCI PTS」に準拠するなど、ハイセキュリティが特徴となっている。
「すでに欧州では、4billion(40億)のトランザクションがあり、英国では『PCI P2PE(PCI Point-to-Point Encryption)』(エンド・トゥ・エンドの暗号化を行う基準)に準拠しています」(Verifone Director of Solutionラジャレイ(Raja Ray)氏)
Verifoneでは、フランス・パリで開催された「CARTES SECURE CONNEXIONS 2015」において、「Verifone Engage(ベリフォン・エンゲージ)」を紹介。EMVコンタクト(接触)およびコンタクトレス(非接触)に対応しており、消費者と小売業者のコミュニケーションを円滑に行うことが可能だ(紹介画像)。また、流通企業はサードパーティのアプリをダウンロードして、さまざまなサービスを提供できる。
価格よりもキャパビリティで他社との差別化を図る
決済端末の不具合を未然に感知して防止
近年では、競合の決済端末ベンダーとの価格競争も厳しくなっているが、「価格で従来のターミナルと差をつけるよりは、キャパビリティで差をつけていきたいです。決済端末を売るというよりは、デジタルエンゲージメントサービスを提供することで、他社との差別化が図れると考えています」とラジャレイ氏は自信を見せる。
また、決済端末の不具合を未然に感知して防止できる「Terminal Manegement System」も提供。ラジャレイ氏は、「決済端末も業界をリードしていますが、その背景にあるトランザクション・システムも最適なものを提供しており、サポート体制についてもトップに入る自信があります」と語り、笑顔を見せる。
新端末は来年から提供する予定だが、まずは、ヨーロッパから投入し、その後グローバルに展開していきたいとしている。
消費者は端末のスクリーン上で広告を閲覧可能
「Apple Pay」に対応した決済端末も紹介
また、メディアソリューション(広告や販促メッセージ)のコンセプトを紹介。Verifoneと提携する企業がアプリを提供しており、フレキシブルに対応できるオープンリソースを開発しているという。消費者は、端末のスクリーン上で広告を閲覧でき、企業は販促に活用可能だ。Verifoneでは、同事業を収益化していきたいとしている。広告については、各市場でのビジネス形態によって異なり、広告主に加え、流通小売業者が広告費用を得ることが可能だ。また、「英国では、小売りだけではなく、eコマースのお客様を含め、展開する予定です」とラジャレイ氏は口にする。
なお、会場では米国や英国で展開されている「Apple Pay」に対応した決済端末も紹介された。EMVコンタクトレスに対応した決済端末は、決して新しい製品ではないが、Apple Payは指紋認証に対応することで、消費者はパスワードを記憶する必要がなくなり、便利になったそうだ。
なお、Verifoneでは、カードビジネスの各カテゴリーで革新的なサービスや製品を表彰する「SESAMES AWARDS」において「Verifone Cloud POS」がベスト・リテイル・ソリューションを受賞した。