2016年4月22日8:57
キャッシュカード、クレジットカード、共通ポイント「Pontaカード」を一枚に
清水銀行(静岡県静岡市)と、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティング(LM)は、2016年4月21日に記者会見を開催し、キャッシュカード、クレジットカード(JCBブランドを付帯)、共通ポイントの「Pontaカード」が一体となった「SHIMIZU With Card」を2016年秋に発行すると発表した。
Pontaとの提携で顧客基盤の拡大につなげる
清水銀行が提供する商品へのポイント付与も想定
清水銀行は、第26次中期経営計画「ADVANCE AS ONE」をスタート。その中で、真にお客様が求める商品・サービスを市場に提供するマーケットイン戦略を掲げている。特に若い世代は、消費における楽しみの1つにポイントを貯めるニーズがある。今回、全国の金融機関で初となるキャッシュカード、クレジットカード、共通ポイントの「Pontaカード」が一体となったカードを発行することで、カードを1枚に集約することができる。清水銀行 取締役頭取 豊島勝一郎氏は、「Pontaは20代から40代までの世代に強みを持つため、顧客基盤の拡大につなげていきたい」と語った。
「SHIMIZU With Card」は、 Ponta提携店での買い物でPontaポイントを付与。また、国内および海外のJCB加盟店で利用でき、クレジットカード決済でPontaポイントが付与される。さらに、Ponta提携店舗でのクレジットカード決済で店舗に応じたPontaポイントに加え、クレジット決済分のPontaポイントが貯まるそうだ。そのほか、清水銀行が提供するサービスの取引に応じてPontaポイントを付与することも検討している。
継続払いの支払いに利用してもらいメインカード化へ
静岡県民にPontaの“便利・おトク・楽しい”を広げる
清水銀行では、2016年4月5日に同行初となるインターネット支店「清水 みなとインターネット支店」をオープン。また、カードローン「しみずピアカード」の取り扱いを開始している。豊島頭取は、今回のLMとの提携により、「魅力ある商品やサービスの提供に努めて、存在意義を発揮していきたいです」と意気込みを見せた。
近年は金融機関がブランドデビットカード等を発行するケースも多いが、携帯電話料金や公共料金(電気/ガス)を利用してもらうことでメインカード化に結び付けていく目的もある。そのため、継続払いの利用が制限される可能性のあるブランドデビットではなく、クレジットカードを選択したという。
一方、Pontaは、会員数7,547万人(2016年3月末現在)を有している。提携企業83社、日本全国約14万店舗(2016年4月1日現在)で利用できるが、近年では電力、ガス、エネルギー分野でも幅広く利用されている。ロイヤリティマーケティング 執行役員 阿部剛氏は、「静岡地域の皆様にお得で利便性の高いサービスを提供していきたいです」と話した。今後は、同様のサービスを全国の銀行に対し、提供していきたいとした。
3つの共通ポイントからPontaを選択した理由とは?
提携社開拓など、地域に根差したサービスも検討
なお、両社の提供に関しては、2015年8月に清水銀行側からアプローチしたという。その際に、複数の共通ポイントサービス事業者に声掛けしたが、他の共通ポイントサービスは特定企業の色が強いとしたうえで、「ロイヤリティマーケティングはポイントの運営や管理に徹していることが大きかった」と清水銀行 経営企画部 伊藤一樹氏は説明する。また、清水銀行が提供するサービスに対するPontaポイント付与の内容、発行枚数の目標については、秋に向けて詰めていきたいとしている。さらに、今後は静岡の提携社を開拓するなど、地域に根差したサービスの展開も視野に入れる。
なお、「SHIMIZU With Card」は、キャッシュカード、クレジットカード、Pontaカードと、3つの機能を読み取る磁気ストライプを搭載しているため、「一般的なカードよりもハードルが高かった」と、ロイヤリティマーケティング 会員サービス本部 会員サービス開発部 部長 兼海外事業本部 橋本夏男氏は説明してくれた。