2016年5月18日19:37
LiquidとKDDIは、2016年6月~11月30日まで、ホテルに宿泊する訪日外国人向けに、指紋生体認証を活用し、パスポートを提示することなくチェックイン時の本人確認を可能とする実証実験「プロジェクト池袋」を実施する予定であると発表した。
これまで、訪日外国人が宿泊施設にチェックインする都度、パスポートを呈示することが旅館業法で定められていた。このほど産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」を活用することで、Liquidの指紋生体認証システムを用い、事前に登録した利用者の指紋とパスポートのICチップの情報をチェックイン時に確認することは、旅館業法に基づく通知で求める「旅券の呈示」を受けたものとしてみなすことが確認された。また、パスポート情報の電磁的記録を宿泊者名簿と紐付けて保存することは、「旅券の写しの保存」に該当することが認められたという。
同プロジェクトの期間中、プリンスホテルが運営する「サンシャインシティプリンスホテル」に宿泊する訪日外国人は、パスポートを提示するかわりに指紋生体認証により、ホテルのチェックイン時の本人確認を行うことができる。
また、LiquidとKDDIは、同プロジェクトにおいてショッピング時に指紋生体認証によるクレジットカード決済の導入についても検討しているほか、今後は、指紋生体認証による免税手続きも視野に検討を進めていく。
クレジット決済に関しては、ヤマダ電機やタイムズモビリティネットワークス (タイムズカーレンタル)の池袋駅周辺の一部店舗において、実施を検討している。
なお、同プロジェクトは、経済産業省・総務省によるIoT推進コンソーシアムにおけるIoT推進ラボ 第1回 先進的IoTプロジェクト選考会議「IoT Lab Selection」のグランプリに採択された。また、同プロジェクトの調査は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) の委託業務として実施される。