2016年9月15日8:00
クレジットカードを持たない若年層など新規ユーザーの取り込みを図る
Webサービス「Ameba」を運営するサイバーエージェントでは、クレジットを持っていない若年層などの新たな取り込みを狙って、全国のコンビニエンスストアを主な販路に、2013年4月より「Amebaプリペイドカード」の販売を開始。さらに2015年からは、次の一手を睨み、「Ameba」の利用などで共通ポイント「ドットマネー」を獲得できるポイントプラットフォーム「.money(ドットマネー)」の提供を行っている。
「Ameba」内のコインが気軽に購入可能に
「ガールフレンド(仮)」とコラボしたカードを発行
サイバーエージェントでは、2013年4月より、全国のローソン、セブン-イレブン、ファミリーマート店頭で、「Amebaプリペイドカード」の販売を開始した。これはレジでの支払いで有効化する仕組みとなっており、額面は1,500円と5,000円の2種類。これによって、同社がスマートフォンやPCで提供・運営しているWebサービス「Ameba」内の有料コンテンツを利用するためのコインが、コンビニでも手軽に購入できるようになった。
これを開始した狙いは大きく2つある。1つは、新しい決済手段の提供によるニーズの掘り起こしだ。コインはWeb上でクレジットカードを用いて購入されるケースが圧倒的に多いが、ユーザーの中には、若年層などクレジットカードを持っていない人や、Web決済に抵抗を感じる人も少なくない。そういった人たちにプリペイドカードを使ってもらうことによって、新規ユーザーの取り込みや、既存ユーザーの利用活性化を図ろうというわけだ。
もう1つは、店頭にカードを陳列したり、コンビニとのタイアップによるキャンペーンを展開したりすることによる宣伝効果である。
キャンペーンは当初、年4回ぐらいのペースで行ってきた。例えば2014年10月には、アニメ「ガールフレンド(仮)」とコラボし、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンで、それぞれ異なるデザインの限定オリジナル「Amebaプリペイドカード」を販売。大きな反響を得た。
「Amebaプリペイドカード」の認知が浸透
今後も現状の展開を継続へ
ほかに、定番のキャンペーンとしては、カードの新規購入者に対するコイン増量プレゼントがある。このようなキャンペーン時にカードを購入しておき、計画的に利用しているユーザーも多いという。
これらの取り組みによって「Amebaプリペイドカード」の認知が浸透し、新規ユーザーの取り込みはほぼ一巡したと見られることから、最近ではキャンペーン頻度を抑え気味にしている。
この1年ほどは、プリペイドカードの売り上げと、プリペイドによる決済比率は、ともに、ほぼ一定水準を保っている。プリペイドが若年層に多く利用されていることからも、同社では狙い通りの成果を得れていると評価しており、「今後も利用者の拡大に努めていきたい」と、サイバーエージェント ポイントプラットフォーム事業部 事業部長 鈴木英氏は語る。
また、販路拡大については、「これまでリーチできていなかった層に訴求できるなど、互いにメリットを見出せるパートナーとは、協業を検討させていただきたいと思っています」と鈴木氏は続ける。
現在はコンビニのほか、TSUTAYAの店舗、プリペイドカードモール「precamo(プリカモ)」で販売しているが、今後は、家電量販店や百貨店での販売などに検討の余地があるのではないかと同社は考えている。
※「プリペイドカード&ギフトカードガイドブック」から一部抜粋