2017年10月10日22:46
デジタルガレージ(DG)、カカクコム、クレディセゾンの3社が運営する研究開発組織「DG Lab」は、ビットコインに用いられているブロックチェーン上で独自仮想通貨を発行できる決済システムに向けた汎用フレームワーク「DG Lab DVEP(Digital Value Exchange Platform)」を開発した。DG Labは今後、DG Lab DVEPを独自の地域通貨や仮想通貨、ポイントを発行する事業者に順次提供していく予定だ。また、DGがクレディセゾンなどと開発を進めている、各種ポイントや仮想通貨等のリアルタイム交換が可能なサービスや、仮想通貨間の交換を可能にするサービスなどにも応用する予定だ。
DG LabはフィールドにおけるDG Lab DVEPの技術検証として、アイリッジが飛騨信用組合と開発を進める電子地域通貨「さるぼぼコイン」向けにDG Lab DVEPを提供した。さるぼぼコインの実証実験は2017年8月に完了しており、DG Lab DVEPが問題なく動作することを確認したという。さるぼぼコインへのブロックチェーンの適用は、今回の実証実験の結果などを踏まえてアイリッジと飛騨信用組合が引き続き検討を進める予定だ。
今回開発したDG Lab DVEPは、ブロックチェーン技術のコア技術者を擁しているBlockstream社(本社:カナダ・モントリオール)のオープンプラットフォーム技術を利用して開発したという。具体的には、Blockstream社が提供するビットコインを基軸としたブロックチェーン技術であるElements(エレメンツ)を基盤技術として採用しており、その最新機能である「Confidential Assets」(コンフィデンシャル・アセッツ)を適用している。DG Lab DVEPは、商用化に向けたConfidential Assetsの実証検証を行った世界初の事例となるそうだ。Blockstream社には、DGの全額出資子会社で投資・育成事業を手がけるDGインキュベーション(DGI)および、DGと大和証券グループ本社が合弁で設立したDG Daiwa Venturesが運営する「DG Lab Fund」が出資している。