2018年3月1日21:53
調査会社のニールセンと、アント フィナンシャル サービス グループが提供するデジタル決済サービス「Alipay(アリペイ)」は共同で、中国人観光客の海外での消費と決済関連の洞察について分析した報告書「Outbound China Tourism and Consumption Trend:2017 Survey」を発表した。
近年、中国の中間所得層を中心に収入が著しく上昇しており、それに伴い旅行は予算を重視するのではなく、旅行先で何が体験できるのか、何が魅力なのかが重視されるようになったという。旅行先を選定する際の基準のランキングでは、第 1 位が「そこでしか見られないきれいな景色」(56%)で、「旅行予算」(34%)は第 5 位となっている。
訪日中国人観光客は年々増加傾向にあり、実際に今回の調査でも、中国人の人気旅行先ランキングで、香港に次ぐ 2 位にランクインしていたことがわかった。
また、調査では、中国人観光客の海外旅行中のショッピングにおける平均消費は、762ドルだった。中国以外の対象国の平均予算は 486ドルで、中国が他国を大きく上回り、高い購買力を有していることがわかる。中国人観光客の消費ランキングでは、1 位:ショッピング(25%)、2 位:宿泊(19%)、3位:飲食(16%)となった。一方で他国の旅行者は宿泊(29%)に使う予算が1位となっている。
またショッピングだけでなく、旅行中全体における平均消費金額は、日本では2,952ドルとなっている。
中国ではモバイル決済が爆発的に普及しているが、今回の調査でも、中国人観光客の65%が直近の海外旅行でもモバイル決済を利用しており、その理由は、「便利で中国でも使い慣れているため」と答える人が 64%を占めた。また調査では、91%の中国人観光客が海外の店舗で中国のモバイル決済サービスを利用できたら購買意欲が向上すると答えている。
なお、調査における中国人調査対象の99%がAlipayをダウンロードしていた。実際に、直近の海外旅行でAlipayを使用した人の割合は63%で、現在は海外での導入先が限られてはいるが、「Alipay対応店舗であれば、Alipayでの決済を検討したい」と答えた人は 94%となった。主な利用先は、免税店や百貨店、大型スーパー、コンビニエンスストアなどが挙げられている。