日本管理センター、手持ちのクレジットカードで賃貸住宅の家賃や諸費用の支払いを実現

2018年5月16日8:00

入居から退去までの一切の精算をカード決済可能に

不動産会社・日本管理センター(JPMC)では三菱UFJニコス、ジェーシービーとともに、同社が管理・運営している賃貸住宅7万4,000戸超を対象に家賃などのクレジット決済を2017年11月より随時開始した。これにより、手持ちのVisa、Mastercard、JCB、American Express、Dinersブランドのクレジットカードで月々の家賃をはじめ入居から退去までの一切の精算をクレジット決済できることが可能となった。 

入居者のニーズの高まりを受ける
簡便性の追求でクレジット決済が実現

2002年に創立された日本管理センター(JPMC)は、不動産オーナーの資産価値の最大化を信条に、不動産オーナーから不動産物件を一括して借上・サブリースし、収益性の向上とリスクマネジメントを実行するプロパティマネジメントを主力事業として展開。プロパティマネージャーがオーナーに代わり、貸主として収益・入居率の向上のため空室対策に取り組んでいる。あわせて、同社のコンサルタントがオーナーの資産運用のコンサルティングから地域のパートナーの営業戦略のアドバイスまで実施している。

右から日本管理センター 常務執行役員 ファイナンス&アドミニストレーション本部長 十河浩一氏、ファイナンス&アドミニストレーション本部 人事総務部 相川正輝氏

「弊社が提供するサブリース(一括借上)は、オーナーと同じ目線で賃貸住宅運営を行っていくことが大きな特徴です。サブリースの管理戸数は7万4,436戸(2018年1月時点)で、ハウスメーカー以外の企業では最多であり、全国1万名以上のオーナーに弊社を選んでいただいています。全国のオーナーが物件運営を任せていただける要因として、安定した経営が挙げられます。創業11年半で東証一部上場し、15期連続増収・増益を達成していることは、オーナーにご安心いただける理由と考えています」(日本管理センター 常務執行役員 ファイナンス&アドミニストレーション本部長 十河浩一氏)

また、同社では“ポストアパートメーカー”をコンセプトに、賃貸住宅に関わるすべてをワンストップで提供。建設会社、地場ゼネコン、工務店、ハウスビルダー、リフォーム会社、賃貸管理会社など全国1,400社以上の企業とパートナー提携し、集合賃貸住宅の新築はもちろんのこと、リフォームから一括借上、賃貸管理・仲介まで一貫して提供している。そこで近年、管理部門や賃貸物件入居者からニーズがあったのが、クレジット決済である。

従前の賃貸物件探しが住みたい場所の不動産屋に行って紹介してもらうことから、情報誌、ネット、スマホへ。問い合わせについても電話からメール、LINEへと変化してきた。物件の内覧に関しても不動産屋が同行するスタイルからスマートロックによる遠隔操作で希望者だけで訪問が可能に。2017年8月には国土交通省がITを活用した重要事項説明の社会実験を開始し、今まで対面で行われていた重要事項説明をテレビ会議などIT機器の活用で対応することを模索している。このように、不動産の賃貸契約はより簡便になってきており、不動産オーナーにとってもこのような時代の潮流に乗ることが資産価値の最大化につながると考え、クレジット決済の導入に踏み切ったそうだ。

2回や分割、リボ払いが可能
カード決済の契約は非対面取引に

とはいえ、クレジット決済が可能となったのは、同社がサブリース(一括借上)していることが大きな要因といえよう。通常、賃貸物件の契約は入居者が不動産屋を介して大家と締結する。そこで、クレジット決済に対応しようとするなら、大家一人ひとりがクレジットカード会社と契約しなければならず、カード手数料も発生する。ゆえに、その煩雑さ、費用面から家賃に関しては不動産会社が発行するハウスカードでのクレジット決済はあっても、主要ブランドの入居者の手持ちのクレジットカードが利用できることはなかったのである。

今回クレジット決済の対象となるのは月々の家賃をはじめ、敷金・礼金・仲介手数料等の入居時の初期費用、更新費用、退去費用で、入居者は入居から退去までにかかる一切の精算を振込や口座振替手続きをせず、振込手数料などを支払うことなく、より手間なく、完了できる。また、通常のカードショッピング同様、カード利用によるポイントが付与される。なお、今回のカード決済の契約は非対面取引となる。

「家賃は1回払いのみですが、初期・更新・退去費用は1回払いだけでなく、2回や分割、リボ払いが可能です。ただし、退去時に敷金などの一部費用が入居者に返金されることがありますが、これは当社から入居者の指定した口座に振り込みます。また、入居者が学生の場合などで初期費用など高額な支払いに対応できないクレジットカードしか持てないケースにおいては、初期・更新・退去費用は保護者のクレジットカードを利用することもできます」(執行役員 ファイナンス&アドミニストレーション本部 副部長兼財務部長 服部聡昌氏)

不動産オーナーや不動産会社もメリットを享受
クレジットカードの利用者が約4割

なお、クレジット決済は不動産オーナーにとってもメリットが大きいという。賃貸契約締結後、振込や引落口座の情報紹介をした際に、金融機関から印鑑相違ということで、対応が1カ月程度遅れることが一定数あったが、クレジット決済ではそのようなことが起きないため、うっかり回収漏れを防ぐことができる。また、近年外国人と賃貸契約を結ぶことも多いが、クレジット決済にすることで、クレジット社会を享受してきた外国人のニーズに応えられるとともに、言語の通じない外国人に督促することなく確実な家賃回収が可能となる。さらに、不動産会社にとっても家賃回収などの業務が減ることでより営業などに注力できるという、入居者、不動産オーナー、不動産会社の三方にとってクレジット決済は大きな利点となっている。

手続きや事務処理の簡便化や時短が同社の生産性を向上させている。クレジット決済は想定では3割程度になるだろうと考えていたが、4割程度まで占めているそうだ。

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