2019年2月4日8:15
国内でもモバイル決済端末として、SUNMIのオレンジの筐体を目にする機会が増えてきた。フランス・カンヌで開催された「Trustech2018」において、中国・SUNMI Techの取り組みについて話を聞いた。
店舗のデジタル化に加え、クラウドで情報を管理
SUNMIが決済端末ビジネスを開始して、3年半以上が経過するが、初年度は10万、次年度40万、昨年は100万の決済端末を出荷するなど、成長は著しい。牽引するのはQR/バーコード決済であり、中国では急速に広まっている。
SUNMI Tech のHongran Su氏によると、「業界でのフォーカスは、オフライン決済も含め、Androidベースでお店をデジタル化すると同時に、情報をクラウド上でマネジメントしていくこと。中国では、それをニューリテールと呼んでおり、すべての情報をデジタル化する改革が進んでいます」とした。情報をビッグデータとして管理し、AI(人工知能)を使って実際の仕入れや在庫を把握可能だ。
日本ではニューウォレットが広がるチャンス
日本では、WeChat Pay、Alipay、LINE Payといったモバイル決済端末として活用されているが、「日本は現金利用者が多いため、ニューウォレットを推進するチャンスがあります」と期待する。最近では、銀行がQR/バーコード決済サービスを推進しているため、さらなる成長が見込めると考えている。
同社では、現在、世界95カ国でビジネスを展開しているが、各地域で端末に期待する点が異なっているという。アジアでは、QR/バーコード決済のモバイルペイメントが主流だが、欧州ではフードデリバリーやO2O、アフリカや中近東では、スマートシティや通信会社のトップアップといったものにフォーカスしている。
将来的に世界のIoT分野で将来的にトップ10を目指す
近年は、決済端末会社ごとの機能やデザインとしての差別化が難しくなっている面もあるが、同社はインターネットベースでスタートした会社であり、イノベーティブなDNAを持っている。値段もできるだけ安価に提供したり、エコシステムについても従来の端末とは異なる部分がある。同社では200名以上のエンジニアを有しており、クラウドで遠隔からの修正や確認、マネジメントができるようになっている。
現在は、ほぼ毎月のように新たなプロダクトを発表しており、商品はIoT(Internet of Things)を通して活用できる。また、ロジスティクスについても独自の仕組みを構築。さらに、キオスク端末や必要なデータを交換できるルータなどを含め、将来的に世界のIoT関連では世界のトップ10に入ると考えているそうだ。
※取材はフランス・カンヌで開催された「Trustech2018」のSUNMI TECHブースにて