2019年5月22日8:00

フランス・タレス(Thales)は、2019年4月にジェムアルト(Gemalto)社の買収を完了し、デジタルトランスフォーメーションとセキュリティ事業を強化した。タレスジャパンでは、5月21日に記者会見を開催し、同社の事業とデータセキュリティに関する国内トレンドを最新の調査結果に基づいて紹介した。

右からタレスジャパン 代表取締役社⾧ シリル・デュポン氏、タレスグループ クラウドプロテクション&ライセンシング、Authentication & Encryption事業部(ジェムアルト)本部長 中村久春氏、タレスジャパン シニア テクニカル スペシャリスト 畑瀬 宏一氏、キヤノンマーケティングジャパン マーケティング統括部門 セキュリティソリューション事業企画本部 本部長 山本 昇氏

デジタル・アイデンティティとデータ保護をワンストップで提供

記者会見ではまず、タレスジャパン 代表取締役社⾧ シリル・デュポン氏が登壇し、フランス・タレスの事業概要を紹介した。タレスは8万人以上の従業員を有し、日本を含め68カ国に展開している。2018年の売上は190億ユーロで、10億ユーロを研究開発費として投資している。タレスでは、デジタル アイデンティティ&セキュリティ(DIS)、防衛&セキュリティ、航空、宇宙、交通の5分野を柱にビジネスを展開。日本に進出してからは、49年目を迎えた。当初は、防衛中心のビジネスだったが、ジェマルトを買収してからDISをメインビジネスとして展開する予定だ。

DISについては、タレスグループ クラウドプロテクション&ライセンシング、Authentication & Encryption事業部(ジェムアルト)本部長 中村久春氏が説明した。DISでは、クラウドプロテクション & ライセンシングの「CPL」、バンキング&ペイメントサービス(カード発行やモバイル決済を含む)の「BPS」、SIMカードなどモバイルコネクティビティソリューションの「MCS」、公共のIDカードやパスポートなどアイデンティティ & バイオメトリック ソリューションの「IBS」、アナリティクス & IoT ソリューションの「AIS」に分けられる。中でもCPLは企業向けのソリューション全般を担っており、政府関係や地方自治体がクライアントとなる。中村氏は、デジタル・アイデンティティとデータ保護の2つのソリューションをワンストップで提供できるソリューションプロバイダーは多くはなく、事業を展開するうえで大きな強みになると自信を見せた。

CPLでは、デジタル決済とトランザクション、コンプライアンス、ビッグデータ、企業セキュリティ、IoT、クラウドなどの分野で事業を行っている。ソリューションとして、暗号化、鍵管理および保護、IDおよびアクセス管理などを展開。鍵管理のHSM(Hardware Security Module)は、ハードウェアに加え、近年ではクラウド型で利用の都度課金するビジネスモデルも需要がある。目指すゴールは、マルチクラウド、ハイブリッド、オンプレミス環境を統合的にカバーすることだとし、BYOK(Bring Your Own Key)で多様な鍵管理を提供していく方針だ。タレスでは、ジェムアルトの買収により、ポートフォリオも強化されており、グローバルの実績も増えているとした。

データを暗号化しているのはわずか 33%

続いて、タレスジャパン シニア テクニカル スペシャリスト 畑瀬 宏一氏が機密情報暗号化の動向に関する調査『2019 Thales Data Threat Report – 日本版』の結果について説明した。日本では、デジタル トランスフォーメーション テクノロジー(DXテクノロジー)で 機密データを使用していると回答した比率は92%となっている。さらに、80%がDXテクノロジーを「既に利用している」、または「翌年中には利用する計画だという。

また、非常に多くの企業が導入環境を安全だと考えているが、 脆弱性を感じている企業も多い。一方、データを暗号化しているのはわずか 33%にすぎなかった。

日本では回答企業のの45%が過去に情報漏洩を経験し、昨年データ漏洩を発生させたのは21%、昨年およびそれ以前の年でデータ漏洩が発生したのは12%となった。また、企業の83% 以上が、SaaS、IaaS、PaaSのクラウド環境を使用しており、クラウド環境内で の機密データの使用率は67%となっている。マルチクラウドの利用が進むほどリスクが高まるが、データセンター、クラウド、エンドポイントで保護する必要があるとした。

規制に対処するために企業が採用する手段として、個人データの暗号化、および個人データのトークナイゼーションが54%を占めた。また、日本では他国に比べて、『データセキュリティ問題に対して脆弱である』と考える企業が少ない一方、『非常に安全』または『中程度に安全』と感じている企業も多くはなかったそうだ。

DXテクノロジーは、クラウド以外にもさまざまな分野で広がっており、導入率はビッグデータで84%(32%)、IoTで84%(35%)、モバイル決済で85%(36%)、ブロックチェーンで80%(29%)、ソーシャルメディアで89%(36%)となっている(カッコ内は機密データの使用率)。畑瀬氏は、DXテクノロジーの導入では、暗号化を中核に位置付ける重要性を述べた。

タレスとジェムアルトが展開する金融系のHSMと暗号化製品の今後の展開は?

会見では、暗号化製品のVormetric(ボーメトリック)を販売するキヤノンマーケティングジャパン マーケティング統括部門 セキュリティソリューション事業企画本部 本部長 山本 昇氏も登壇した。キヤノンマーケティングジャパンでは、2016年から暗号化製品のVormetricを販売しているが、日本は暗号化率が33%と低いため、市場としてさらに成長すると感じている。暗号化のニーズとして、例えば、クレジットカードなどの機密性の高いデータの情報漏洩を防止するためには、トークナイゼーションが有効であるとした。

これまでの販売実績として、ファイルサーバの暗号化は、交通インフラ企業、官公庁、クラウドサービス事業者、民間企業など8社、トークナイゼーション製品は、金融機関、決済代行企業、小売、一般企業など11社で採用されている。例えば、トークナイゼーションは、SMBCファイナンスサービスや電算システムなどで導入された。現状、同社の暗号化・鍵管理製品のシェアは3.5%だが、2020年には10%までシェアを高めていきたいと意気込みを見せた。

なお、金融系のHSMと暗号化製品は、タレスとジェムアルトいずれも展開しており、グローバルに数多くの顧客を有しているが、「次世代のプラットフォームに関してはどちらかに主軸を合わせるような製品が出てくる可能性があります」と中村氏は説明した。

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