2019年6月18日8:00
中国・上海で2019年4月25日~27日まで開催された「China International Self-service, Kiosk and Vending Show 2019」(CVS)では、テンセント(騰訊)が提供する中国のモバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」も出展した。さまざまな自動販売機の形態で、提示型(CPM)およびユーザー読み込み型(MPM)でのWeChat Payによる支払いのデモを実施した。
「WeChat Pay」は、中国を中心に8億人以上が利用しているといわれるスマートフォン決済サービスだ。中国では、2018年末で40万台の自動販売機が設置されているというデータもあり、現在も設置台数は伸長している。WeChat Payの担当者は、「新しく設置された自動販売機では99%WeChat Payが支持されています」と説明する。
中国の自動販売機の多くにはサイネージが付いており、WeChay Payによる支払いは日常になっている。同社の技術をさまざまなメーカーに提供することで、より便利に利用してもらいたいとしている。
最近では、病院、学校、工場などでの展開が加速しているといい、飲料だけではなく、ショッピングモールに入る流れもあるという。今回、ブースで展開したアイスクリーム、オレンジジュースの自動販売機はショッピングモールに適用されるそうだ。中国の無人自動販売機は、バネ式や蛇型にとどまらず、使用形態によって使用されるシチュエーションが決まってくるそうだ。
米国でのAmazon Goなどの展開を受け、日本でもAIを活用した無人マーケットが注目を集めている。同担当者は、「昨年は無人販売機よりも無人店舗の方が注目を集めていましたが、ブームが過ぎて、中国の社会形態には適用されていませんので、今後は有人と無人が共存する流れはあると考えています」と説明してくれた。
なお、日本でも中国から訪れる観光客が一部の自動販売機でWeChat Payによる支払いが可能となっている。日本の自販機での利用の開拓も一歩一歩進めているという。