2019年11月11日8:00
ABIServiziが主催した決済とイノベーションに関するイベント「Il Salone dei Pagamenti~payvolution~」が2019年11月6~8日までイタリア・ミラノの「MICO MILANO CONGRESSI」で開催された。
同イベントは、イノベーションとデジタル化をテーマにした オープンなイベントとなり、新サービスの発表を行う企業も目立った。また、決済関係者に加え、市民および学生など、セクターのすべての関係者を巻き込む目的もあり、会場には一般の人々も姿も見受けられた。
会場では、9つのテーマでさまざまなセッションを実施。また、国際ブランド、主要なイシュアやアクワイアラ、決済端末ベンダー、デジタルセキュリティベンダー、チップベンダー、コンサルティング会社などの大手企業がブースを構えた。さらに、新興企業やFinTech(フィンテック)企業の展示も行われた。
国際ブランドとして、Visa、Mastercard、American Express、Discoverがブースを出展。また、イタリアの126の銀行が参加し、普及率の高いデビットカードであるBANCOMAT (バンコマット)も展示した。
オリンピックの唯一の決済テクノロジースポンサーであるVisaのブースでは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が来年開催されることもあり、日本のUFOキャッチャーを来場者に体験してもらっていた。また、スノーボードの体験ゲームも行われた。
Mastercardでは、決済テクノロージーにちなんださまざまな展示を実施。イタリアでもMastercardコンタクトレスの利用者は伸びているが、「SWATCH PAY」など、トークン化技術を採用したウェアラブル製品を紹介した。また、ブースにはイタリアサッカーの名選手であるFERRI(フェリー)とGALANTE(ガランテ)が登場し、インテルミラノ、CréditAgricole Italiaとのパートナーシップによる新プロダクトの提供を発表した。
Intesa Sanpaolo、Unicredit、NEXI、SIAといったイタリアの大手決済事業者も出展。イタリアでは、キャッシュレス比率が25%余りと、フランスやイギリスといった欧州諸国に比べて低い数値となっているが、その分今後の伸びしろは大きい。近年では、Apple Pay、Samsung Pay、Google Payといったモバイルペイメントの利用が伸びている。
同展示会では、イタリア初となるハードウェアのないソリューション「Tap on Phone」をIntesa SanpaoloとMastercardが発表した。また、日本の郵便局に当たるPoste italianeでは、モバイルのQRコードを活用した決済サービス「Postepay」を発表している。
決済端末では、Ingenico、PAX Technology、Castles Technologyといった日本でも馴染みのある企業が製品を展示。イタリアではAndroidベースの決済端末の導入が伸びており、中でもPAX Technologyが先行しているという。
Thales(Gemalto)、Giesecke+Devrient、IDEMIAといったデジタルセキュリティベンダーも出展し、指紋認証カード、メタルカードなどのプロダクトを紹介した。
なお、ペイメントナビ編集部では、複数のブースで取材を行った。インタビューの模様は順次紹介する予定だ。