三井住友カード、膨大なキャッシュレスデータを活用可能な「Custella」を提供

2020年6月10日8:00

三井住友カードは、取引先加盟店、提携先企業のほか、地域経済の活性化やキャッシュレス推進に取り組む自治体等に対し、データ分析支援サービス「Custella(カステラ)」を提供している。同サービスの特徴や狙いについて、三井住友カードに説明してもらった。

クレジット加盟店の決済データ活用の現状は?

Custella ロゴ

――三井住友カード様はアクワイアラ(加盟店開拓企業)としても展開されていますが、従来クレジットカード加盟店でデータ活用が進んでこなかった理由についてお聞かせください。
三井住友カード:小売業などの加盟店はPOSによる個々の商品の売れ行きなどの分析を進めています。一方クレジットカード会社が持つ売上データは、商品が特定できず、加盟店のニーズにマッチしているのか、どのように活用できるのか、という課題がありました。

――加盟店の決済データ活用のニーズについてはいかがでしょうか?
三井住友カード:加盟店は従来のPOSによる商品分析や、ポイントカード等の顧客属性からからリピーターの購買行動の分析はかなり進んでいるケースもあります。しかしながら、ポイントカードを持っていないお客様やたまにしか購入しないお客様が普段どのような購買行動をとるのかといった情報を持ち合わせていません。特にカード会社が持つ業種横断のデータは、加盟店にとってはお客様が自社以外どういう購買行動をしているかを把握することに役立ち、ニーズがあることが分かってきました。

また、インバウンド消費の分析においては、POSデータは加盟店のレジの方が見た目で来店者の国籍を判断することになるため精度が低いのですが、クレジットカードの決済データでは、カードの発行国が分かるのでその統計データは加盟店からも利用価値があると言われています。このように、最近は加盟店も自社のお客様がどういった属性なのかを知りたいというニーズを持っていることが分かってきました。

各業種の加盟店が便利に適用できるような機能を整備

――データ分析支援サービス「Custella 」提供開始の背景についてご説明ください。
三井住友カード:当社は地方創生の観点から、地域のキャッシュレス決済促進支援を行ってきました。多くの自治体が効果的なインバウンド消費の取り組みニーズを持っており、当社の持つキャッシュレス決済データからその地域の特徴を分析・把握することで、その地域に適したインバウンド施策が見えてくるようになってきました。

また、加盟店からも個々のリクエストにより、統計データを紙で提供していましたが、データ分析担当者などから要望を伺っていくうちに、こういった切口だと汎用的に加盟店のニーズが高い、というようなことが分かってきました。

近年、あらゆる産業においてさまざまなデータが各企業に収集・蓄積されるようになった一方で、自社のデータだけでは効果的な経営戦略の立案や商品開発、販促プロモーションに活用できないといった課題を抱えている企業も多数存在していると思われます。そこで、当社の持つ膨大なキャッシュレスデータを戦略的に活用し、色々な業種の加盟店が便利に適用できるような機能を整備し、一般的なサービスとして展開が可能なのではないか、という思いがCustellaの発想のもとになりました。

このような背景のなか、2019年4月の組織改定にて「データ戦略室」(※)を設置し、戦略的なデータ活用を進める体制を整備し、加盟店向けデータ分析支援サービスの「Custella」の事業化を決定しました。
(※)2020年4月より「データ戦略部」へ改組

「Custella Insight」「Custella Analytics」の2つのサービスを提供

――これまでもカード会社ではデータ分析への取り組みを進めてこられたと思いますが、従来のデータ分析とはどう違うのでしょうか?
三井住友カード:一つはデータ量が増えたこと。キャッシュレス政策により当社のデータ処理量も10年前の3倍に増えています。また従来は大都市、高価格帯でのカード利用の割合が多かったのですが、地方やコンビニなどの日常利用など購買データとしてのカバー範囲が増えていることもデータの価値が高まっている要因の1つです。また、大量のデータを高速に分析できる環境(DWHやBIツール、AIなどツール)が進んだことにより、より効率的に、より精度の高い分析データを提供できるようになったことが大きいと考えています。
※DWH:データウェアハウス

「Custella Insight」「Custella Analytics」

――Custellaの具体的な利用企業のターゲットについてお聞かせください。
三井住友カード:Custellaでは、2つのサービスを提供しています。1つ目は、当社が定期的に提供する統計データを活用し、事業者自らが消費者の行動分析を確認できるプラットフォーム「Custella Insight」を提供しています。これは汎用的な切り口を用いており、Web環境でいつでも閲覧が可能です。

2つ目は、事業者の個別ニーズに応じて、汎用的な切口以外に相手先が保有するデータや天候データなどの外部データも掛け合わせ、フルカスタマイズの分析を行い、独自の切口で詳細分析、考察のレポートを提供するサービス「Custella Analytics」です。

これらのサービスを企業のニーズに合わせて上手にご利用いただければと思っています。「Custella Insight」はサービスをパッケージ化していますので、データ分析の入門としても活用しやすいと考えています。また、専門の分析担当者がいらっしゃるような企業で、データ分析から経営課題がはっきりしているような場合には、「Custella Analytics」のピンポイントの考察がニーズに合うと思われます。

加盟店の活用の現状、三井住友カードのサービスとの連携は?

――具体的な活用方法として、PDCAをどう回すのでしょうか?
三井住友カード:Custellaを活用して親和性や可能性の高いターゲット顧客を発見し、自社の施策や商品開発に活かしている企業様もいらっしゃいます。また、三井住友カード会員へのDM施策を活用いただいている事例もあります。施策実施後どのターゲットが反応し、購買につながったかの効果検証まで実施し、次回改善策の提案まで実施しています。

――データ分析により売上にどの程度影響があるとお考えでしょうか?
三井住友カード:現段階ではダイレクトに当社の売上に寄与するというよりも、加盟店などのお客様にCustellaを知っていただき、使っていただき、データ分析から仮説を立て、新たなお客様へのアプローチや既存のお客様へのさらなる機会構築など、当社が提供する付加価値を通じて評価いただければと考えています。

――加盟店や自治体が使う場合は無料で利用できるのでしょうか?
三井住友カード:「Custella Insight」は月額5万円です。また、「Custella Analysis」は内容により都度のお見積もりとなります。

――送客サービス「ココイコ!」と加盟店送客でどのように連携されるのかご説明ください。また、新決済プラットフォーム「stera(ステラ)」のアプリマーケットとの連携について計画されておりますでしょうか?
三井住友カード:Custellaによるデータ分析結果により効果的なプロモーション先をセグメントいただいた場合など、具体的なお客様へのアプローチとして、当社会員向け加盟店送客プログラム「ココイコ!」をご提供することができます。ステラマーケットへの連携については、現在検討を進めているところです。

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