2011年5月13日7:00
地域に特化した共通ポイント事業をドミナントに展開
加盟店でTポイントやnanacoポイントなど、他社ポイントが貯まるサービスをスタート
クラブネッツでは、地域に特化した企業と業務提携し、共通ポイント「CNポイント」を展開している。同社と提携した企業は、「○○CNカード」など独自のブランド名でCNポイントが貯まって使える共通ポイント事業を展開することが可能だ。
取材対応者:クラブネッツ 代表取締役社長 冨安仁氏
1エリア50から300店舗の地域加盟店ネットワークを構築
全国各地約70拠点でドミナント展開、カード発行枚数は累計470万枚を突破
クラブネッツは、1枚のポイントカードまたはおサイフケータイ(2011年6月リリース)があれば、さまざまな店舗でポイントが貯まり、利用することができる共通ポイントサービス事業を運営している。
CN(クラブネッツ)加盟店は、カードやおサイフケータイを提示した会員の買い上げ金額100円につき、数%のポイント付与を行う。加盟店は、CNポイント1ポイント付与につき1円をポイント代としてクラブネッツへ支払う仕組みだ。また、会員に対しては、1ポイント=0.5円として、CN加盟店でのキャッシュバックや、他社ポイント交換などで還元している。
同社ではこれまで、地域で情報誌を発行している会社や、地元密着の印刷会社、広告代理店、多店舗展開している会社・団体・組織など、約70社の地域企業と事業提携し、地域に特化した共通ポイント事業で一つのエリアに50から300店舗の加盟店を開拓しドミナントに展開している。
地方誌などと連携し顧客を囲い込む
社会貢献カードにもポイントを活用
例えば、長崎県壱岐市の情報サイトを運営する株式会社アットマークでは、地域カードとして「壱岐くるカード」を発行。壱岐市では「壱岐くるパートナー」を募集し、そのパートナーと共に「壱岐を元気にする応援プロジェクト」を展開している。そのプロジェクトの一環としてカードを発行している。同市は人口3万人の離島だが、会員数はすでに島民の10%にあたる3,000人となっている。同カードは、壱岐島の住民の利用はもちろん、観光客や壱岐出身者を島に呼び込むためのツールとして有効に機能しており、店舗などからも顧客の取り込みができ、集客につながっているという声が寄せられている。
三重県の津市や松坂市では、株式会社ゼロが出版するタウン情報誌の「月刊Simple」と連携し、その読者に対し、共通ポイントカードを発行している。同誌はコンビニエンスストアや書店で販売されており、読者には誌面で加盟店の情報を紹介している。現在、約200店舗の加盟店でポイントカードの利用が可能であり、今後は四日市などの地域を新たに開拓する予定となっている。
また新潟県村上市のにいがた元気プロジェクトで発行している「mocaカード」では、キャラクターをたてて、地方紙による告知とともに店舗の販促グッズや営業車などにもキャラクターを露出させながら地域カードの券面を前面に出してPRを行っている。
このように地域や地方の活性化策としてポイントカードが多くの地域で利用されている。これに加え、最近では社会貢献活動にポイントを役立てる取り組みも目立つという。
例えば、鳥取では鳥取の情報サイトのPeebaと連携して、「鳥取創人(トリプロ)カード」を発行しているが、同カードを利用して発行するCNポイントの5%が自動的にトリプロ基金として集められ、同基金を1年に1回、鳥取県に寄付している。
TypeA、TypeB、FeliCaに対応した
マルチポイント付与端末機を開発
クラブネッツでは、新たな取り組みとして、2011年3月1日から、1台の端末機で複数ブランドのポイントを取り扱える「マルチポイント付与端末機」の全国CN 加盟店導入を開始した。同社の従来機はDopa網を使って通信を行っていたが、2012年3月にサービスの終了が決定している。そのため、新端末の開発に着手した。
同端末は、ICカード、磁気カード、おサイフケータイなど、市場のカードメディアのほとんどを網羅。また、従来のMifareはもちろん、TypeA、TypeB、FeliCaの規格に対応している。さらに、アプリケーションを搭載すればクレジットカード決済を行うことも可能だ。一台の端末機でいろいろなサービスが可能になるため、加盟店の使い勝手も今まで以上に良くなると同社では考えている。