2012年10月24日8:30
日本セーフネットは、2012年10月23日、サービスプロバイダやSIer向けにクラウドベースの新しい認証サービスである「セーフネット認証サービス」を提供すると発表した。同サービスは、企業ユーザーを対象にしたAaaS(オーセンティケーション(認証)・アズ・ア・サービス)の迅速な導入を可能にする。サービスプロバイダは、従来のワンタイムパスワードに限定せず、クラウドベースアプリケーションのシングルサインオンを搭載できる。
日本セーフネット ワールドワイド セールス&カスタマー サービス担当シニア バイスプレジデントのフィル・サンダース氏は、「コスト、ユーザビリティ、リスクへの対応をすべて兼ね備えているのが特徴です」と自信を見せる。
同サービスは、ユーザーごとのシンプルな価格設定モデルを提供している。利用企業は、初期投資不要、サーバ構築や運用不要で利用可能だ。これにより、サービスプロバイダは、コストの大幅削減、強力な認証機能の提供と導入に必要な、複雑な作業の簡素化、セキュリティおよびコンプライアンスの強化を実現できるという。
また、ベンダーにとらわれない複数階層、マルチテナントのプラットフォームからのユーザー管理や既存のトークン技術のサポートも可能だ。サービスプロバイダは、中央集中管理型のクラウド環境に短期間で移行し、エンドユーザーへのサービス中断を最小限に抑えることが可能だ。また、RSAやVASCO、マトリックス認証など、他社のトークン技術にも対応できる。
日本セーフネット エンタープライズ事業部 ビジネスデベロップメントマネージャ 亀田治伸氏は、「ユーザーインターフェースは、すべてカスタマイズが可能であり、OEMビジネスにも対応しています」と説明する。ユーザーのニーズにあわせてカスタマイズすることにより、サービスブランドと全体的な知名度アップを図ることができる。また、高い拡張性も特長の1つで、ユーザー数の増大へ対応可能となっている。
加えて、従業員、パートナー、顧客などが組織のシステム、アプリケーション、データにリモートアクセスする「拡張エンタープライズ」では、強力な認証が大きな課題になっているが、サービスプロバイダを通じてセーフネット認証サービスを利用することにより、強力な認証を簡単かつ迅速に導入することができるという。
海外では、エンタープライズ、政府、金融分野などでセーフネット認証サービスが採用されている。同社のサービスは、「複雑な環境の中でデリケートな情報を保護することが可能なため、ライバル社もSafenetの認証サービスを利用している」(フィル・サンダース氏)そうだ。
すでに海外では、アジアを中心にペイメントカードの決済時に3-Dセキュア等の認証と合わせワンタイムパスワードを併用する動きが出てきている。
「現在、国内でもインターネットのクレジットカード決済時に3-Dセキュアによる認証に合わせワンタイムパスワード認証を行う要望があり、商談を進めています」(亀田氏)
同社では国内企業へのOEM提供やエンドユーザーへの販売を行うことで、来年度には2~3億円の売上を目指す。