2022年9月15日8:30
東京都・渋谷区のデジタル地域通貨「ハチペイ」が、今年中のスタートに向けて、準備を加速。2022年8月10日より加盟店向け説明会の開催および加盟店登録を開始した。全国各地でコミュニティ通貨を展開してきたカヤックと組んで、渋谷ならではの取り組みを模索する。渋谷区産業観光課長の本間洋行氏に、現時点での進捗状況を取材した。
記事のポイント!
①2022年中に開始予定、カヤック・JCB・ポケットチェンジと協働
②「ハチペイ」と「ハチポ」の双方を効果的に活用へ
③加盟店は渋谷区内限定、利用は渋谷区民や来街者も可能
④決済方法はQRコード決済とNFCタグ採用
⑤加盟店の決済手数料は2024年3月末まで無料、初期費用ゼロで導入可能に
⑥渋谷区らしい産業支援策の実現、区民生活の支援、地域コミュニティの活性化へ
⑦隠(カク)れた渋(シブ)谷区内の店舗を発見する取り組みも
⑧予算1.2億円規模のキャンペーンを計画
⑨マイナンバーカードの読み取りによる区民認証を可能に
⑩予算1.2億円規模のキャンペーンを計画
⑪域内で転々流通する通貨を目指す
⑫加盟店、キャンペーン参加者の目標は?
カヤックに業務委託、JCBとポケットチェンジと協働
コミュニティ通貨活用で独自展開が可能に
渋谷区ではデジタル地域通貨「ハチペイ」を、2022年中に開始する。渋谷区はこの業務を、これまで全国約20カ所でコミュニティ通貨を展開してきた実績を持つカヤックに委託。カヤックは、カード会社のジェーシービー(JCB)、電子マネーサービス「pokepay(ポケペイ)」を展開するポケットチェンジと協働し、プロジェクトを推進する。
当事業では、カヤックとポケットチェンジがアプリを共同開発。キャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」と、カヤックが企画開発したコミュニティコイン「まちのコイン」の渋谷版である「ハチポ」を活用する。「ハチペイ」は、クレジットカードや一部コンビニATMからチャージして支払いに使え、ポイント還元やプレミアム付き商品券などのインセンティブも付与される。
一方「ハチポ」には換金性がなく、地域活動への参加などでコインを獲得し、そのコインを使って地域の店舗やイベントで特別な体験ができるというもの。まちのコインを「ハチペイ」ポイントに交換したり、「ハチペイ」ポイントをコインに還元したりできる仕組みを整えて、お得に便利、かつ楽しく使えるデジタル地域通貨を目指すという。
加盟店は渋谷区内限定だが、利用は区民・在勤・来街者を問わず、誰でも可能。まず8月10日から店舗向け説明会と加盟店登録を開始し、加盟店の獲得を急いでいる。
QRコードもしくはNFCタグで決済
導入費用・決済手数料は無料で3回振込可能に
「ハチペイ」は決済方法として、QRコード決済およびNFCタグを採用。店頭などに設置する三角ポップスタンドの表裏にそれぞれQRコードとNFCタグを付け、利用者が自身のスマートフォンで読み取って支払いを行う。チャージは一部コンビニATMとクレジットカードから行えるようにする。
加盟店の決済手数料は、2024年3月末までは無料。その後も、中小事業者および個人事業主については継続して無料とする。専用機器は不要で、決済キットやステッカーなどのスターターキットが無料配布されるので、加盟店は初期費用ゼロでキャッシュレス決済を導入できる。「ハチペイ」アプリ内のマップに加盟店を表示することによって、来店を促進。売上金の振込は、月1回、2回、3回の中から加盟店が選択することができる。
渋谷区産業観光文化部 産業観光課長の本間洋行氏は、「やはり決済手数料ゼロという点に魅力を感じてくださる店舗が多いです。これだけ決済手段が広がっている中で自治体が地域通貨に取り組む意義のひとつは、長引くコロナ禍での継続的かつ渋谷区らしい産業支援策の実現、区民生活の支援、地域コミュニティの活性化にあります。手数料など加盟店の負担もありませんので、これまでキャッシュレス決済をやってこなかった中小規模の店舗をはじめ、より多くの店舗にご参加いただけたら嬉しいです」と話す。
カヤックでは、「ハチペイ」の促進キャンペーンとして、9月1日~14日まで、渋谷区民・来街者が「ハチペイ」を使えるようになって欲しいと思う隠(カク)れた渋(シブ)谷区内の店舗を、アンケートで募集する「カクシブプロジェクト」を行うなど、魅力ある店舗の参加を目指した。
利用者の獲得・定着に向けた取り組みは?
予算1.2億円規模のキャンペーンを計画
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