2023年1月12日8:00
ドイツのインフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies)は、国際的に有名なチップメーカーの1つであり、ICカード等にセキュアな仕組みを提供してきた。同社では、現地時間の2022年11月24日に生体認証決済向けのオールインワンソリューション「SECORA Pay Bio(セコラ・ペイ・バイオ)」を発表し、フランス・パリで開催された国際的なペイメントの展示会「TRUSTECH 2022」で紹介した。製品化の際は、日本での展開も期待される。
フィンガープリンツと連携
カードメーカーは既存の設備を使用可能に
セコラ・ペイ・バイオを搭載したクレジットカード等のペイメントカードでは、利用者がタッチ決済の際、登録した指を指紋センサーに触れることで、PIN入力をせずに支払いが可能だ。
TRUSTECH 2022では、利用者が自身の指紋をカードの指紋センサーに触れる作業を12回行うことで生体情報を登録し、そのカードで支払いが可能になるデモを実施した。
セコラ・ペイはインフィニオンのソリューションとなり、ICカードやウェアラブルを短期間で実装できるワンストップソリューションだ。同社では、スウェーデンのFINGERPRINT CARDS AB(フィンガープリンツ)と協力関係にあるが、生体認証決済カードで連携し、セコラ・ペイ・バイオを市場に投入する予定だ。
セコラ・ペイ・バイオは、インフィニオンの「SLC39B セキュア エレメント」とフィンガープリンツの「FPC1323 センサー」を1つのシステムパッケージに組み合わせることで、カード アンテナとモジュール間のワイヤ接続が不要となり、1チップで実行できる生体認証機能を提供する。カードメーカーにとっては、生体認証決済カードの生産を簡素化でき、部品を削減可能だ。主要なカードメーカーは、既存のカード設備を生体認証カードの製造に使用できるようになることが大きい。
インフィニオンのプレスリリースの発表でもあるように、ABIリサーチの調査によると、2025 年には最大1億4,000万枚の生体認証決済カードが発行されると予測されている。一方で、数年前から生体認証決済カードは国内外で発行されていたが、コストなどの面から本格的な普及に時間がかかっている。インフィニオン・テクノロジーズ・フランス コネクテッド・セキュア・システムズ テクニカル・セールス・ディレクター Frédéric Sauvayre氏は「市場で出回るためにはもっとコストを抑えないといけません」と話す。
時間をかけて最適な商品を市場投入へ
2023年末に製品化、日本市場に向けての展開も
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