2023年7月27日8:00
神奈川県は、2023年7月27日(10時)より、「かながわPay 第3弾」を開始する。かながわPayは、神奈川県内の対象加盟店で利用すると、支払金額の最大20%、1人当たり上限30,000ポイントまで獲得できる。また、貯まったポイントは県内の加盟店のみで利用可能だ。対象決済サービスは「au PAY」「d払い」「はまPay」「LINE Pay」「楽天ペイ(アプリ決済)」「AEON Pay」となる。第3弾の予算は100億円だが、同様の金額を確保した第2弾では1カ月以上前倒しで終了となったため、早期に終了する可能性がある。
原油高や物価高の影響受ける産業や県民を支援
2回の取り組みで決済額1,500億円突破
「かながわPay」は、コロナ禍や原油高、物価高騰などの影響により売り上げが減少している県内産業の支援や消費者の負担を軽減するために過去2回実施してきた。利用者はスマートフォンアプリ「かながわPay」および対象のQRコード決済サービスをダウンロードし、利用登録することでサービスを利用可能だ。7月27日(10時)から予算上限の100億円に達するまで同キャンペーンに参加している加盟店で「かながわPay」を通してQRコード決済をするとポイントが付与される。
スマホ決済サービスと連携した地域活性化施策は複数の自治体で展開されているが、「『かながわPay』の『かながわポイント』は県内の加盟店でしか使えませんので、域内で消費されます」と神奈川県中小企業支援課 杉山誠氏は説明する。また、同事業は中小企業支援課が主体となって実施しており、消費者へのポイント還元率は個人事業主及び中小企業が20%、大手企業が10%と差をつけている。
同事業の第1弾は2021年10月~2022年5月まで、第2弾は2022年7月~2023年1月にかけて実施した。県は「第1弾、第2弾を合わせて、決済額1,500億円を突破しました。また、第2弾の終了までで185万ダウンロードされるなど、多くの方にご利用いただいています」と成果を述べる。例えば、第1弾では、20~50代の利用者が多かったが、第2弾では60代以上の人やスマートフォン操作に不慣れな人にも参加してもらうため、県内各地の商業施設等で利用者向けの説明会や、NTTドコモの協力を得て、神奈川県内のドコモショップでサポートイベントを実施。「全体的に20~50 代が多いのは変わりませんが、参加者は第一弾の8万人から17万人まで増えており、成果がありました」(杉山氏)。
第1弾ではポイント還元額70億円、決済額が約600億円、第2弾ではポイント還元額100億円、決済額が約900億円となった。加盟店数は約2万4,000店となり、中小企業や個人事業主の登録が進んだという。QRコード決済の読み取り方式は、小規模事業者でも設備投資なく気軽に参加してもらえるよう、利用者が店舗に設置されたQRコードを読み取るMPM(Merchant-Presented Mode)方式を採用している。加盟店からも「来店促進につながった」「より多くの購入につながった」といった声をもらった。
域内でポイントが貯まり、消費される仕組みに
運営は横浜銀行など4社の共同企業体で構成
「かながわPay」は県内外の生活者が参加できるのも特徴だ。県は「域内でいかに消費してもらうかが重要です。県民以外でも利用できますが、ポイントの付与が決済から8日目ということもあり、第1弾終了時のアンケートでは、県内の方が利用の中心でした」と話す。
第3弾の事業は、横浜銀行、電通プロモーションプラス、SocioFuture(旧日本ATM)、ネットスターズの共同企業体によって構成されている。例えば、横浜銀行は代表機関として神奈川県より同事業の運営業務を受託している。同行は地域の金融機関として、神奈川県の企業とのつながりも深く、スマートフォン決済サービス「はまPay」の提供により店舗との接点も構築している。電通プロモーションプラスは、加盟店や利用者の勧誘、ポスター制作などの広報業務を行う。SocioFutureでは、QR コード決済を利用する人からの電話照会に対する支援や販促品の発送、などの業務を担う。ネットスターズでは、支払いやポイント利用に必要な「かながわPay」アプリ、決済システム、店舗用申込サイト、店舗用売上管理システムの提供・運用を行っている。
「AEON Pay」やイオン参加で日常使いが便利に
「かながわPay」は事業者ごとに独自手数料率に
第3弾実施に向けては、すでに約2万4,000店の加盟店の資産があることが大きい。それに加え、5月29日からは第3弾の加盟店募集を追加で行っている。第3弾では、前述のような高齢者などへのサポートは継続して実施していく。また、物価高騰が続く中、影響を受けているのは子育て世代が多いため、日常使いできるような加盟店を増やしていきたいとした。第3弾では、「かながわPay」に紐づけできる決済手段として「AEON Pay(iAEON)」が加わるとともに、神奈川県内のイオングループ店舗で利用可能になる。これにより、スーパーマーケットやドラッグストアで利用できるようになり、さらに利便性が高まると期待している。
さらに、第2弾までの課題として、貯まったポイントの有効期限に気づかない人もいたという。同課課長代理 加藤花苗氏は「ポイントを使いやすくするため、アプリを開いてなくてもプッシュ通知が届くようにしました」と説明する。
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