2023年12月11日8:00
日本航空(JAL)はマイルの利便性向上を目指し、日常生活のさまざまな場面でマイルを貯めたり使ったりできるサービス「JALマイルライフ」を強化している。顧客層拡大やサービス拡充による収益成長を掲げ、約3,000万人のマイレージ会員向けの専用アプリ導入や新たな会員プログラムのローンチなどに着手。航空券に特化せず、マイルを身近なサービスして活用してもらえるような体制構築を目指す。
通販研究所 渡辺友絵
記事のポイント!
①「JALマイレージバンク」の見直しを推進
②日常生活でマイルが貯まるシーン拡大へ
③新アプリで決済機能や利便性向上を目指す
④保険契約でマイルが貯まる
⑤ポイント付与を「ライフスタイルサービス実績」まで拡大
⑥「Life Statusポイント」は生涯の実績が基準に
⑦ライフタイムバリューの伸びや収益成長へ
■日常生活の多彩なシーンでの活用促す
JALは従来展開していた搭乗実績によるマイレージ獲得やそれを反映した搭乗券提供など、ほぼ航空関係が中心だったマイレージプログラム「JALマイレージバンク」の見直しを推進。ショッピングやエンターテインメント、教育、金融など日常生活における多彩なシーンでマイルが貯まり、さらに会員が自分に合った使い道を選べるマイレージプログラムへと舵を切った。
策定している「2021-2025年度中期経営計画」では、顧客層拡大やサービス拡充による収益成長を掲げる。航空利用に加えて日常生活での利用実績を会員のステイタス基準とし、これらでの利用がメインとなる新たな顧客層の開拓に力を注ぐ。また、教育・医療・健康・エンターテイメント領域のサービス拡充も強化する。
2023年10月に行われた24年3月期第2四半期決算説明会では直近の取り組みとして、日常生活でマイルが貯まるシーンの拡大を強調。2025年度におけるこれら非航空分野の発行マイル数を、2000年度と比べ68%増まで拡大させると計画している。
■新アプリ導入で決済機能強化やマイルの利便性向上へ
顧客層拡大やサービス拡充による収益成長の実現に向けて23年11月にリリースされたのが、マイルを貯めたり使ったりなどさまざまな機能をスマホアプリ上に集約した「JALマイレージバンクアプリ」だ。
デジタル会員証として使えるだけでなく、コンビニエンスストアやドラッグストアでの利用金額に応じてマイルを貯めることが可能。航空券の予約や特典航空券への交換、JAL Mallでの買い物、ふるさと納税に至るまでアプリ内で簡単にアクセスできる。
アプリのリリースと同時に既存のスマートフォン決済「JAL Pay」の機能も強化し、「Apple Pay」に対応できるようにした。さらなる決済サービス拡充施策として、「クレジットカードチャージ」や新たな決済方法の追加を予定している。
また、貯めたマイルを買い物などに利用できる「マイルチャージ」の最低必要マイル数を、これまでの3,000マイルから500マイルへと大幅な引き下げを実施。これにより、ちょっとした買い物でも便利にマイルを使えるようになった。
さらに23年9月には「JALマイルライフ」の推進施策として、国内航空会社では初となる保険契約でマイルが貯まる「JALの介護保険」をJALマイレージバンク会員に向けて発売。申し込みから契約完了まで専用Webサイト上で完結できるネット保険で、毎月の保険料150円につき1マイルが貯まる。貯めたマイルはさまざまな特典に交換することが可能だ。
■上級会員制度に新たな生涯実績プログラムが誕生
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