2024年1月31日8:40
「給与デジタル払い」対応の給与口座振り分けシステム「エニペイ」を提供するPayment Technologyは、2023年11月より、日本大学経済学部 安藤至大ゼミと産学共同で、ゲーム理論をベースとした「給与デジタル払い」の社会実装に向けた研究を行っていたが、このほど、2024年1月15日に、学生による成果発表会を開催した。
2023年4月1日から賃金のデジタル払いを可能とする労働基準法施行規則改正に伴い、使用者が労働者に賃金を支払う方法について、今までの「現金」「銀行口座振込」「証券総合口座への送金」に加え、「資金移動業者口座(いわゆる〇〇Pay等のアカウント)への振込」が新たに加わった。
同社は、この改正に伴い、給与口座振り分けサービス「エ二ペイ」に給与デジタル払い対応機能を追加し、従業員が様々な手段で給与を受け取れる体制を整えてきたという。
厚生労働省による資金移動業者の指定は現時点では行われていないが、間もなく資金移動業者が指定され、給与デジタル払いが企業で開始される見込みだという。
給与デジタル払いがよりスムーズに企業に受け入れられ、従業員に対しても便益をもたらす制度として社会実装していくことを目的として、「賃金のデジタル払いを普及させるために」というテーマで、2023年11月より労働経済学の専門ゼミである日本大学 安藤ゼミとの共同研究を開始した。
このテーマについて、安藤ゼミの3年生を中心に受託研究班3班がそれぞれの角度から研究を行い、研究発表会では各班から賃金のデジタル払い普及のための施策が発表された。
・受託研究一班:給与振分・年収管理のためのアプリの開発によって若者を中心とした働く世代に普及させる施策
・受託研究二班:家賃・公共料金の電子マネー払いによって銀行口座を介さずに給与受取から支払までを完結させる施策
・受託研究第三班:資金移動業者の第二・第三グループと連携し、賃金のデジタルマネーでの受取にポイントを付与することで労働者に動機付けをする施策
各班の発表は、給与デジタル払いの前線にいる同社から見てもどれも興味深いものであり、今後のサービス展開を考える上で非常に参考になる、実りある取り組みとなったそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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