2025年10月1日8:00
メルカリは、2025年9月30日、メルカリ初の世界共通アプリ「メルカリ グローバルアプリ」の提供を開始するとともに、国内事業者向け越境EC基盤を強化すると発表した。まずは台湾・香港での提供を開始し、今後、展開する国や地域を順次拡大していくという。そのカギになるのは、決済や検品、配送などだが、同社では安心・安全な体制を整えるそうだ。
越境取引はメルカリの次の成長を支える柱
GMVは3年間で15倍、1千億円規模へ
メルカリは、創業時から新たな価値を生みだす 世界的なマーケットプレイスを創ることを目標にしてきた。メルカリ 執行役員 CEO Marketplace 迫 俊亮氏によると、今回の取り組みはそれを体現するための一歩となるそうだ。
世界の越境EC市場の拡大は、今後、ますます加速していくと予測されている。メルカリは、グローバル展開に向けた戦略の一環として、2019年から購入代行事業者のパートナーを通じて、越境取引事業を展開してきた。さらに、昨年8月以降、台湾・香港において、ウェブ版から直接購入できる仕組みを構築するなど、独自展開も行っている。迫氏は「この3年間で、当社の越境取引の規模は約15倍に成長し、2025年度には約1,000億円規模に到達しました。取引の中でも、エンタメ、ホビー関連の詳細が7割近くを占めております。越境取引事業は、もう小さな取り組みではなく、メルカリの次の成長を支える柱となっております」と話す。
事業拡大に向けた越境ECのポテンシャル
決済など多くの構造的な課題を解決へ
この成長を支えているのは、メルカリならではの3つの強みだという。まず、累計40億品を超える日本最大のフリマならではの豊富な在庫。そして、海外から高く評価される日本の高品質な中古品だ。中でも、世界で人気を集める日本初のエンタメ、ホビー領域における豊富な在庫が強みとなっている。世界の越境EC市場は、2024年に約1兆ドルから2034年には約7兆ドルへと7倍近い成長が見込まれている。一方で、海外消費者の約8割が欲しい日本製品が買えずにがっかりしたと答えており、まだまだ大きな壁が残されているそうだ。越境ECには、物流やコスト、言語や文化の違い制度や品質、決済に至るまで、多くの構造的な課題がある。
海外の利用者は、日本の商品やカルチャーに強い期待を寄せている。一方で、サイトが使いにくく、欲しい商品にたどり着けなかったり、「本当に届くのだろうか?」「品質は大丈夫か?」といった不安を強く感じているのが現状だ。
国内事業者には越境展開に挑戦する上で、大きな壁がある。まず参入の壁である。海外の需要や規制がわからず、最初の一歩が踏み出せない。次に運営の壁だ。決済や配送関税といった専門知識がなく、顧客対応にも不安を抱えている。そして、成長の壁だ。出品後にどう販促し、売り上げを伸ばせばいいのかという知見が不足している。
購入者にとっては、「安心して買えるのか?」という不安、事業者にとっては「簡単に海外に売れるのか」という難しさがあり、こうした壁が存在することで、潜在的な需要を十分に呼び起こせず、市場の拡大はまだ限定的にとどまっている。
台湾と香港からスタート
今後3年で50カ国への展開
こうした壁を取り除くため「メルカリグローバルアプリ」をローンチした。まずは台湾と香港からスタートし、今後、さらに世界中に対象地域を広げていく。同アプリによって、海外の利用者は、安心で、使いやすい購入、プラットフォームを利用することができ、日本の商品をもっと身近に楽しんでもらう環境を実現していく。一方で、事業者には、市場理解の不足や、越境、ECへの高いハードル、オペレーションへの不安といった課題がある。そうした課題に対して、海外展開をあらゆる面で支えるEC基盤の強化で解決を図るそうだ。購入者に向けたグローバルアプリと、事業者に向けたEC基盤の2つの柱を両輪として、メルカリはグローバル展開をさらに加速させていくという。
この戦略を加速させる鍵がエンタメホビー領域だ。世界規模で約17兆円に上る越境市場だが、絶対的なNo.1プレーヤーは存在していないそうだ。迫氏は「メルカリは圧倒的な在庫量、日本初コンテンツという独自の強みを持っています。だからこそ、メルカリは、エンタメ、ホビー領域が、グローバルマーケットプレース展開の鍵であると考えています」と話す。
メルカリのグローバルアプリは、今後3年で、50カ国への展開を目指すという。2026年春にはアメリカでの提供開始を予定している。その後、3年以内に50以上、中長期的には100以上の国や地域へ展開していく。
Stripeと連携して各国の決済や通貨に対応
高い承認率、不正抑止も強みに?
「 メルカリグローバルアプリ」では、海外の購入者日本の「メルカリ」と「メルカリShops」の商品を閲覧・購入することができる。アプリは、AIによるリアルタイム翻訳機能を搭載している。
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