2012年2月20日18:04
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)は、2012年2月20日、倫理的消費に関する調査結果を発表した。同調査によると、東南アジアでは倫理的消費への志向が根強く、同地域では多くの国で、環境配慮型商品やフェアトレード商品を購入する人の割合が高いことが明らかになったという。
同調査は、アジア/太平洋、中東、アフリカ地域の主要25市場において、2011年12月5日~2012年1月6日にかけて、消費者1万2,500人を対象にオンラインで実施したもの。
調査結果によると、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシア、中国では、環境に配慮した商品、フェアトレード商品、売り上げの一部が寄付される商品を、購入したいと考える人が特に多く、反対に、その割合が低かったのは、ニュージーランド、オーストラリア、日本だった。ただし、2009年と2011年を比較して、寄付連動型商品を購入したいと答えた人の割合が増加したのは、韓国(+7%)のみで、中国(-25%)、台湾(-19%)、日本(-18%)、香港(-15%)、シンガポール(-11%)ではいずれも減少しているそうだ。
2011年、日本では東日本大震災が起こり、慈善活動への寄付をしていると答えた人が、2010年の20%から42%に増加した。また、35%の人が2010年に比べて、今年は、寄付金額が増えたと回答している。また、洪水の被害を受けたタイでは、31%の人が、昨年より寄付を増やすと答えている。
2011年の調査では、環境配慮型の商品を購入すると答えた消費者の割合が、2009年の調査時に比べて、日本(-26%)、中国(-23%)、香港(-19%)で減少した。とりわけ台湾では、2009年調査時の71%から40%へと大幅な減少が見られたそうだ。
フェアトレード商品を選好する消費者の割合が最も大きく増加したのは、韓国(+18%)で、2009年に比べ、全体的に増加傾向を示した国は、他にはタイ(+4%)のみだった。フェアトレード商品の購入に積極的な消費者の割合が、最も高かったのは、これまでと同様タイ(94%)で、次いで中国(88%)、インドネシア(87%)の順となった。同割合が最も低かったのは、オーストラリア(37%)とニュージーランド(36%)だった。
買い物をするとき、社会的責任を果たしている企業の製品であることを重視すると答えた人が多かったのは、フィリピン(76%)、インドネシア(76%)、ベトナム(78%)、タイ(82%)で、逆にこの割合が少なかったのは香港(45%)、日本(39%)、韓国(46%)だった。
アジア/太平洋地域では全般に、子どもたちの健康と教育に関わる公益組織に対し共感を覚えると答えた人が最も多くなった。また、同地域の多くの市場で、環境問題に取り組む組織の存在感が高まったそうだ。一方、新興市場では、貧困や飢餓の問題に取り組む公益組織に対し共感を示す傾向が引き続き強く見られたという。