2013年10月16日12:09
NTTデータは、非構造化データ分析技術を用いた、クレジットカード加盟店審査業務の高度化に関する実証実験を2013年10月15日から約2カ月間実施すると発表した。
実店舗、ECサイトを問わず、クレジットカード決済の可否は、消費者にとってその店舗の重要な信用指標の1つであることから、カード会社にとって、多種多様な業態の加盟店に対し今まで以上に高度な加盟店審査業務の実施することが急務となっているという。
そこで、NTTデータは、加盟店審査業務高度化の取り組みの一環として、非構造化データ分析技術を用いた、加盟店審査関連情報収集の高度化/自動化の実証実験を開始することとなった。
具体的には、NTTデータが開発した加盟店審査プロトタイプシステムを、三井住友カードに提供し、三井住友カードの加盟店審査業務における実務検証を通じて、業務の自動化・効率化の検討を進める。
構築したシステムは、米マークロジック社のEnterprise NoSQL Database「MarkLogic Server」による開発基盤を軸に、NTTデータのエンリッチ化技術を組み込んだ加盟店審査用のプロトタイプシステムとなる。同システムはトライアル環境や外部データの提供において、NTTデータの「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」のサービスを利用している。
加盟店審査時には、さまざまな情報を参照・分析して総合的な判断を行うが、特に「非対面先」と呼ばれる実店舗を持っていない加盟店(EC加盟店、スマホ加盟店等)に関しては、従来の加盟店審査と比較して情報参照先が多岐にわたる。これら多岐にわたる情報分析を、加盟店審査部門がいかに正確かつ効率的に実施することができるかをポイントに「情報収集機能」「審査用データベース構築機能」「ダッシュボード表示機能」を構築している。
情報収集機能は、インターネット上の第三者情報、ECサイトの記載内容、口コミによる評判情報など、インターネット上に大量に存在する情報の中から、審査に必要な情報を抽出し収集する機能となる。審査用データベース構築機能は、収集したインターネット上の情報や、公知の情報(半構造化データ、非構造化データ)と顧客社内の業務データ(構造化データ)をエンリッチ化による意味解釈を行い、Enterprise NoSQL Database上へタグ付けして格納する。これにより、あらゆるデータが格納された審査用データベースを構築できるという。
ダッシュボード表示機能は、審査用データベースに蓄積されている顧客の業務に必要な分析結果、情報収集結果を1つの画面に表示することができるダッシュボード機能で、審査業務の効率化を実現可能だ。
なお、今後さらに審査対象先の予兆検知を行う仕組みの検討や、審査時に蓄積される審査結果データの統計解析にもとづく加盟店審査モデルを策定することで、将来的には自動審査の実現も視野に入れて研究を進めていくという。
NTTデータでは、同実証実験を通じて開発したシステムについて、将来的に広くクレジット業界へ拡大展開していく予定だ。また、引き続き「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」のビッグデータ分析サービスを活用し、Twitterを中心としたソーシャルデータを用いた予兆検知機能の追加も検討している。