2010年8月9日 08:30
非接触ICは、決済、交通、IDカードの3分野以外にも、浸透していくはずだ。ポイント/ギフトカード、エンターテイメント、クローズドの電子マネー、各種会員証、地方自治体が発行する地域のサービスカード、医療施設の診察券等々、磁気カード、紙で運用されているすべての分野が対象に入る。
非接触ICの市場として、いまの時点ではそれほどの規模はないとしても、ポイント/ギフト、会員証など、生活密着型、アミューズメント系の分野は、広がりが期待できるだろう。この分野は、カード形式に加えて、チケット、コイン、タグ状の非接触ICの活用も有望だ。加えて、ISO/IEC 14443と同じ周波数、13.56MHzを使う「ISO/IEC 15693」、「ISO/IEC 18000-3」も、同じインフラでの稼働が期待される。
今後、身近なところに13.56MHzの対応カード、デバイスが散在するようになるはずだ。この環境で有効なソリューションが、13.56MHzのインターフェースを一本化できる「NFC(Near Field Communication)」である。
非接触ICの仕様ごとにリーダライタを設置することは、コスト、スペース的にも現実的ではない。店舗に置く決済端末や交通の改札だけではなく、非接触ICを読み書きできる機器は、携帯電話、パソコン、ゲームマシン、テレビ、オーディオ製品など、コンシューマー・エレクトロニクス(CE)機器全般に対象が広がっていく。
FeliCa、Mifare、タイプA/B、15693など、主要な13.56MHzの規格をすべて扱えるNFCは、非接触ICインフラを構築する上でのインフラになっていくことは確かだ(図)。
※本記事はTIプランニング発行の「FeliCa・NFCレポート」の一部分をご紹介したものです。ただいま、「ペイメントナビオープン記念 夏のレポート祭り」を開催中ですので、「FeliCa・NFCレポート」にご興味がある方はこの機会にぜひ、購入をご検討いただければ幸いです。