2018年12月7日9:00
Mastercardは、シンガポールで開催された「Singapore FinTech Festival」開催初日となる2018年11月12日に「プレス向けブースツアー」を行った。当日は、東南アジアを中心に、数多くのメディアが参加した。
「Mastercard Start Path」で世界中のスタートアップを支援
Mastercardでは、従来の決済システムに加え、新たな決済や認証システムの開発に力を入れている。また、複雑な支払いをより、シンプルで安全な方法で展開することに力を注いでいる。
スタートアップ支援では、「Mastercard Start Path(マスターカード・スタートパス)」を、2014年から世界規模で展開。同プログラムでは、1年に40のスタートアップ企業をセレクト。設立間もないイノベイティブな企業の成長を支援している。Mastercard Start Path Director(Asia Pacific)Li Li Ling氏によると、6カ月のサポートプログラムでは、同社のエキスパートからのアドバイスに加え、Mastercardソリューションとの連携などもサポートされるそうだ。
トークンを活用したウェアラブルでの決済を開発
ブースツアーでは、ソリューションのデモや紹介も行われた。「MasterCard Identity Check Mobile」は、指紋や顔による認証を行うことで、オンラインショッピングでの取引を安全に行えるもの。金額が高い取引の場合、二段階の認証を行うことで、セキュリティ強化を図る。これにより、パスワード不要で認証を行うことが可能だ。同サービスは、すでにオーストラリアなどで実用化されている。
ウェアラブルの活用では、カードを使わずに指輪で支払いを行うデモを実施。同サービスでは、クレジットカード等と紐づけられたトークンによる支払いを採用している。現在はコンセプトの段階だが、将来的には幅広く採用されるとみている。
自動車分野では、Mastercardの「OnStar Goプラットフォーム」を開発するためにGeneral Motors(GM)と連携している。たとえば、カフェによるデモでは、車内でコーヒーを選び、注文して、決済まで行い、店舗には出来立てのコーヒーを取りに行くだけといったことが可能だという。
NuDataを買収して日常の行動による不正対策を強化へ
ブースでは、NuData Security Inc.の買収して展開するデバイスセキュリティ関しても紹介。これは、オンライン、モバイルアプリ、スマートフォンの相互作用により、悪意のあるユーザーを特定する。利用者からは承認を得て、スマホの操作の特徴、日常の行動などを分析することで、より安全に認証ができるそうだ。仮に通常と異なる疑わしい行動があった場合、認証項目を増やすことで、不正を防止している。