(2)全国各地で拡がる「FeliCaポケット」~フェリカポケットマーケティング

2010年7月9日 09:33

地域振興・活性化での「FeliCaポケット」活用が増加
杉並区が来年開始予定の地域通貨事業の優先交渉権を獲得

FeliCaカードを活用したASPサービスである「FeliCaポケット」。フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長の納村哲二氏が「今年も10以上の自治体でサービスがスタート予定」と語るように、地域振興・活性化に利用されるケースが相次いでいる。また杉並区が来年開始予定の地域通貨の事業の優先交渉権を獲得するなど、新たな利用分野の開拓も着々と進めている。

「WAON」と相乗りしたサービスが増加

「めぐりん」では複数のポケットを活用

フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長 納村哲二氏

フェリカポケットマーケティングはソニーが開発した「FeliCaポケット」を通じた各種マーケティング、サービス支援を行う企業だ。2008年1月にソニー、ぐるなび、三井物産、丹青社の合弁会社として設立された。

「FeliCaポケット」は、ポイントやクーポン、スタンプラリーなどの機能を最大20個まで1枚のFeliCaカードやおサイフケータイに纏めるアプリケーションである。基本的に、対応端末、ログ管理、メール配信サーバをASPで提供しているため、導入企業はスピーディーにサービス提供が可能である。また同社のCRMパッケージは、メール配信や履歴集計などの機能を利用して、顧客囲い込み、販売促進に結びつけることができる。

券面に関してはオリジナルカードの配布以外にも、電子マネー事業者や交通事業者のカードと相乗りして利用されている。またFeliCa対応携帯電話の利用も可能だ。対応端末では、電子マネーの決済機能も搭載されたNECのマルチリーダライタ端末の引き合いが増えているという。

四国めぐりんサービスの地域加盟店の概要(図1)と地域雑誌との連動(図2) ※クリックで拡大

「最近では香川県で発行されている『めぐりんWAON』をはじめ、電子マネー『WAON』とFeliCaポケットの機能を複合したサービスが増えています。イオンさんがショッピングセンターなどで積極的にカードを販売してくれているため、会員数の伸びも順調です」(フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長 納村哲二氏)

めぐりん事務局が運営するめぐりんサービスでは「もてば四国が好きになる、使えばもっと好きになる、四国大好きカード」をコンセプトに20個のポケットを活用してさまざまなサービスが展開されている。地域活性化、地域振興がキーになっており、地域共通のマイルとクーポンサービスを軸に展開(図1)。カードホルダーは各店舗で付与されるマイルを「めぐりん共通マイル」として利用可能だ。また1つのカードに複数の店舗で利用可能なクーポンを搭載できる。さらに地域雑誌「TJかがわ」やテレビCMと連動したり、イオンの店頭でキャンペーンなどに活用されている(図2)。イオン店頭から周辺店舗への誘導では、イオン高松、綾川、高松サティーでお買い物をするとWAONポイントを貯めることができ、貯まったWAONポイントを周辺のめぐりんサービス加盟店舗・商店街で利用する取り組みなどを実施している(図3)。

四国めぐりんサービスのイオンとの連動(図3)とめぐりんアプリ(図4) ※クリックで拡大

リアル店舗とWebサイトの連携もこのカードの特徴で、自宅からパソコンのFeliCaポートやPaSoRi(パソリ)にカードをかざすと、店舗での利用履歴、クーポンの情報などが確認できる。また携帯電話の「めぐりんびゅあー」アプリをダウンロードすれば、カード番号、残高や有効期限の確認が可能だ(図4)。

ICカードとの相乗りでは、交通乗車券「ですか」と一体となり、1月16日に開催された「土佐・龍馬であい博」で訪れた観光客に公共交通の利用促進を目的とする高知「めぐりんですか龍馬カード」も発行されている。

各地で広がるFeliCaポケット(図5)と横浜市福祉局の横浜市介護ボランティアポイント事業(図6) ※クリックで拡大

「めぐりんサービスでは非常に多くのカードが発行されており、複数のポケットが利用されています。これから事業を行う自治体も、めぐりんと似たサービスを展開するケースが多く、今年は地域振興や活性化に向け、10以上の都道府県でFeliCaポケットのサービスが開始される予定です」(納村氏)

 

FeliCaポケットを使った地域・観光振興は、長野県の「nagat WAONカード」(長野地域カード協議会)、大阪・泉商工会の「I love Izumi カード」、新潟市中央区古町通六番町商店街の「Niigata Island Card」、島根・鳥取の「あいポケットWAONカード」(島根ユビキタスプロジェクト)などが各地で稼働している(図5)。

また、横浜市では、全国で初めてICカードを利用した介護支援のボランティアカード「よこはまポケット」(横浜市福祉局)の運用を実施(図6)。高齢者が市内の約200の介護施設でボランティア活動を行うとポイントが貯まり、現金に換金できるサービスだ。フェリカポケットマーケティングによると、将来的にはほかの施設などでもサービスを行う可能性があるという。

杉並区の店舗で利用できる共通商品券や

地域振興で付与されるポイントをICカードに搭載

そして、同社では杉並区が来年度から開始する地域通貨の事業の優先交渉権を獲得した。4社が同事業の入札に参加したが、フェリカポケットマーケティングがもっとも杉並区から高い評価を得たという。同事業では杉並区内の店舗やサービスで利用できる共通商品券やボランティア活動などの地域振興で付与されるポイントをICカードやFeliCa対応携帯電話に搭載できる。またSuicaやPASMOなどの交通乗車券、Edy、nanaco、WAONといった電子マネーもFeliCaポケットの機能が搭載されていれば利用可能だ。カードは区の窓口などで発行され、区役所や店舗などに設置された専用のKIOSK端末でポイントなどに換金する。杉並区では本事業により30億円の経済効果を見込んでいるという。

「これまで紙で行っていた地域通貨の欠点の多くは、用途、期間、利用場所を特定できるICカードにより解決できます。地域通貨がICカードを介して循環することにより、地域振興や活性化につながります。例えば、区民はボランティア活動に参加して得たポイントを電子マネー化し、カードに貯めることができるようになります。地域通貨としてはもちろん、診察券、子育て支援、見守りシステムなど、区民の多くが持つカードに育てていきたいと考えています」(納村氏)

FeliCaポケットの優位性を生かし

ソニーのビジネスにもシナジーをもたらす

同社では約2年半の取り組みの経験から、地域や行政サービスなどFeliCaポケットが持つ優位性を生かせる導入分野が見えてきたという。今後は案件を増やすことももちろんだが、一案件ごとの成功モデルを確立していきたいとしている。

「杉並区で地域通貨がスタートする来年までの展開は非常に重要です。地域通貨を電子化して実施することは、ソニーのビジネスモデルにも大きな役割を果たす可能性があります。区民がカードを持ち、家庭内や学校にある機器などにかざすことにより、ソニー本体のサービス展開にも大きなシナジーをもたらすことでしょう」(納村氏)

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