2017年6月28日20:36
中国の通信事業者であるChina Mobile Communications Corporation(チャイナモバイル)と、NTTドコモは、異なるベンダ間におけるeSIM連携システムの開発を2017年6月2日に完了したと発表した。同システムは、GSMAにより策定された仕様「Remote Provisioning Architecture for Embedded UICC3.1(GSMAv3.1)」に基づくものであり、商用環境における世界初のマルチベンダ間eSIM連携システムとなる。
これまで異なる通信事業者間でeSIMを書き換える場合には、通信事業者同士が同じベンダのeSIMシステムを採用していることが条件だったが、GSMA仕様に準拠した同連携システムの開発により、異なるベンダを採用している通信事業者間でもeSIMを書き換えることができる機能を実現したという。
ドコモが採用するeSIMベンダのギーゼッケアンドデブリエント(G&D)とチャイナモバイルが採用するeSIMベンダのGemaltoという2社間におけるeSIM連携システムの実現は、eSIMによる通信事業者間の連携を促進し、世界的なIoT市場の拡大に貢献するものであると期待している。
チャイナモバイルとドコモは事業協力契約(SCFA)のもと、IoT分野におけるサービスの共同検討や新技術の共同検証などの事業協力活動を進めており、その取り組みの1つとして両社間におけるeSIM連携を検討していたそうだ。
今後両社は、自動車や建設機械、農業機械など日本から中国へ製品輸出する法人を対象に、機器に組み込まれたSIMを抜き差しすることなく、日本および中国のネットワークを切り替えることができるサービスの検討を進めていくという。