2010年12月15日8:00
「EC決済、EC活用の最新トレンド」~ドミノ・ピザ ジャパン
宅配ピザの注文にクレジットカード決済を導入
一件当たりの年間注文回数や平均注文単価が上昇
宅配ピザ大手のドミノ・ピザ ジャパンは9月30日から、同社顧客向けにインターネットで注文の際のカード決済サービスを全店舗で開始した。
競合他社に対して優位性のあるサービスとして
クレジットカード決済をいち早く導入
ドミノ・ピザ ジャパンは現在、首都圏を中心に178店を出店。2009年7月にネット注文Webサイト「ドミノオンライン本店」を新装オープンした。同サイトのネット注文は、電話での注文と同様に、30分程で最寄りの店舗から焼きたてアツアツのピザを届けている。
「お客様登録をしていただくと次回からお届け先の情報入力が省略できて、お好みの商品の組み合わせを『お気に入り登録』することもできますので、約30秒でカンタンにご注文いただけます。パンフレットやチラシなど紙のクーポンも利用できて、さらにネット特典としてもれなく5%OFFになりますので大変お得です。また、他のピザチェーンに先駆けてクレジットカード決済にも対応、さらにご注文後にはお客様ごとにリアルタイムで配達状況を確認できる『ピザトラッキング機能』もご提供しておりますので大変便利で安心です」(ドミノ・ピザ ジャパン)
同社では2009年7月からネット注文の際のカード決済を一部の店舗で試験導入してきたが、カード払いの導入が顧客利便性の向上に効果的と判断し、9月30日から全店稼動を行った。なお、今回の導入にはネット接続でカードの販売承認の取得・代金決済を処理できる三菱UFJニコスの「ECカード決済システム」を採用している。
「2009年7月のECサイト全面リニューアルに伴い、以前より懸案となっていたクレジットカード決済の導入をオンラインかつ一部店舗の限定サービスとして試験導入したところ、明らかに販売上の成果が見込まれることが数値実績として把握できたことと、懸念されていたチャージバックなど運用面でのトラブルも大きく発生しなかったことから、競合チェーンに対して優位性のあるサービスとして全店導入を決定いたしました」(ドミノ・ピザ ジャパン)
導入後の利用者の傾向については、「現金でお支払いのユーザーと比較して、一件当たりの年間注文回数や平均注文単価が上昇しております」と成果を口にする。ただ、クレジットカード決済の導入によりPCの利用件数は増加したものの、モバイル利用件数の増加は見られていないという。
電子マネーや携帯キャリア決済など
アクティブな利用ユーザーが見込まれる手段も検討
宅配時の面前でのカード決済導入については、「店頭販売ではないことから配達員ごとに決済端末を配備しなければならず、設備投資コストの問題やバイクでの配達による雨天時などの機器破損など運用面で負担が大きいことが想定されることから、現時点では具体的に検討しておりません。オンラインで全店導入が始まったばかりですので、その成果や課題を見極めつつ今後検討していく予定です」とコメントしている。
同社では、クレジットカード決済で成果が得られることを前提として、電子マネー(特にSuicaなどの交通系)や携帯キャリア決済など、ある程度アクティブな利用ユーザーが見込まれる決済手段についても検討していきたいとしている。