2021年6月2日7:30
サイバーエージェントとクレディセゾンは、カード決済データを活用したマーケティングソリューションを提供することを目的に、合弁会社「CASM (キャズム)」を2021年6月1日に設立した。
クレジットカードを中心とした決済データは、本人確認データに基づいた正確性および決済トランザクションの即時性とリアルタイム分析で消費トレンドをいち早く掴めることから、欧米では先行して「オルタナティブデータ」として活用が進んでいる。日本においても AI 技術の発展とコロナ禍で活用が加速しており、人流統計データから外出者増減の算出、購買(POS)データから即時的な顧客需要を予測するなど、今後さらに決済データをはじめとする「オルタナティブデータ」の活用ニーズが高まっていくことが予想されている。
このような背景のもと、約 3,600 万人(連結)の顧客基盤による膨大な決済データを持つクレディセゾンと、AI 技術の研究開発組織「AI Lab」を有するサイバーエージェントにおいて、カード決済データを活用したマーケティングソリューションを提供する新会社を設立した。
AI Lab ではこれまでも、レコメンド情報最適化の研究および、企業・政府の意思決定に不可欠な細かい粒度でのリアルタイムな経済状況の把握を目的としたオルタナティブデータ活用の研究等に取り組んできたという。
精度が高い決済データ分析や消費行動や顧客インサイトの把握など、AI 技術を活用し複合的なオルタナティブデータ分析が可能だ。クレディセゾンが保有する価値ある決済データの更なる有効活用と、新たなビジネスの創出および価値創造を目指す。
具体的には、顧客の潜在ニーズを引き出すなど1人ひとりの属性・決済情報をより高度に分析し、カード会員の興味関心に寄り添った、最適な情報を届けることが可能だという。また、クレディセゾンが保有する即時性のある決済データの分析によって、コロナ禍での新たな生活様式による消費行動の変化をいち早く可視化したり、本人利用許諾済みの属性情報や多様な購買履歴の傾向から、特定の顧客層の潜在的な可処分所得やライフスタイルを推計できる。これらを個人が特定されないデータとしたうえで、メーカーや小売企業、セゾンカード加盟店などさまざまな店舗・法人へ提供が可能だ。さらに、小売企業などが保有する購買(POS)データ等と掛け合わることでよりユーザー解像度が高いデータ分析が可能となり、オンラインとオフラインのデータを融合させた OMO(Online Merges with Offline)施策など、複合的なマーケティング支援を提供するという。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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