サイバーエージェントとクレディセゾンの新会社「CASM」の強みとは?

2021年8月31日8:30

「決済データ✕ネット広告」で顧客の行動変容を促す

2021年6月に設立したサイバーエージェントとクレディセゾンの合弁会社、CASM(キャズム)。インターネット広告とカード決済データを掛け合わせることによって、現状分析にとどまらず、顧客の行動変容を促し売上増に導くマーケティングソリューションの開発・提供を目指す。CASM 代表取締役 下田満氏と同社取締役でクレディセゾン 執行役員(兼)デジタルマーケティング部長 川原友一氏に事業の現状と今後について話を聞いた。

カード決済情報にもとづいたマーケティングソリューションを提供

国内外でオルタナティブデータの利活用に注目が集まる中、サイバーエージェントとクレディセゾンは、カード決済データを活用したマーケティングソリューションを提供する合弁会社、CASMを立ち上げた。

記事のポイント!
①サイバーエージェントとクレディセゾンがタッグ
②金融商品主軸の広告/マーケティングソリューション開発・提供
③CLOなど決済データ活用の先駆者クレディセゾンは眠っているニーズを掘り起こせると期待
④複数の広告主から具体的な要望
⑤年内にも具体的な活用事例が登場?
⑥新しい切り口のサービスとして広告主に価値を提供へ
⑦新たな事業領域の開拓にもトライ

CASM 代表取締役 下田満氏

サイバーエージェントは、社内研究開発組織「AI Lab」で、AIのマーケティング活用に関する研究に多数取り組み、オルタナティブデータ活用に関する研究にも積極的だ。また同社は、インターネット広告事業、ABEMAやAmebaなどのメディア事業を通して広告主との幅広いネットワークを有している。一方クレディセゾンは、カード会員約3,600万人の決済データを日々取得、保有している。「マーケティングのノウハウを進化させるために決済データを活用したい」サイバーエージェントと、「保有するデータの新しい使い方や価値を見出したい」クレディセゾンの意向が合致して、新会社の設立に至った。

クレディセゾンはカード会員の情報を、個人が特定されないかたちに加工してCASMに提供する。サイバーエージェントの「AI Lab」の中でCASMと直接連携するのは、AIと経済学の融合に関する研究を行う経済学チームだ。経済学の知見を用いて人流や小売業の商圏、購買データなどの分析にあたっている。CASMはセゾンカード会員向けレコメンド情報の最適化、カード決済情報を活用したマーケティングソリューションの開発・提供、新規ビジネスの創出に取り組んでいく。

協業により決済データの活用領域を拡大、新たなニーズの掘り起こしも

川原氏は今回の新会社設立に関して、「データのマーケティング活用というのは、顧客の行動を変容させてこそ成功と言えます。現状認識で終わっては意味がない。われわれがサイバーエージェントと組んだ理由はまさにそこにあります」と説明する。

「これまでクレジットカード会社による決済データのマーケティング活用の王道はCLO(Card Linked Offer)でしたが、自社メディアだけではリーチできる範囲に限界がある。オルタナティブデータのキモは、活用領域をどこまで広げられるか。インターネット広告の巨人であるサイバーエージェントと組むことで、われわれがアプローチできる領域を一気に広げることができるのです」(川原氏)

CASM 代表取締役 下田満氏と同社取締役でクレディセゾン 執行役員(兼)デジタルマーケティング部長 川原友一氏

クレディセゾンのカード会員向けメディアには、ニッチな市場を狙うBtoB商材などにおいてはターゲットをピンポイントで狙い撃ちできる強みがあるが、市場が広いBtoC商材においてはインターネット広告やSNSの活用が効率的だ。「われわれはメール配信なども活用していますが、最近は特に若年層でメールよりもSNSを使う人が増えています。そこで今後はサイバーエージェントのノウハウを活かして、SNS広告やディスプレイ・ビデオ広告など多様なメディアを活用したマーケティング戦略を実践していきます。広く情報が行き渡って、『こんな商品が欲しかった、カードを使って買おう』と思ってくれるカード会員が増えれば、結果的にセゾンカードの売上増にも寄与することができます」(川原氏)と期待を寄せる。

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