2021年6月14日8:00
PayPal(ペイパル)は2021年5月20日、デジタル決済におけるセキュリティをテーマにしたメディアラウンドテーブルを実施した。登壇したのは最高技術責任者(CTO)を務めるスリ・シバナンダ氏と、長らくインド支社のトップとして開発陣をリードし、アジア圏の各市場を回りエバンゲリスト的な存在でもあるグル・バート氏の二人だ。
2025年までにユーザー数や決済処理高は倍以上を計画
信頼とセキュリティに支えられたカスタマーの喜びに満ちた経験
ビットコインなど暗号通貨の売買を大手サービスとしては先陣を切って米国市場でスタートさせているペイパルだが、傘下に収めている決済アプリVenmoを使ってオンライン購入の決済のローンチも伝えられている。今回の講演では、ペイパルがどうやってセキュリティを高め維持しながら瞬時の決済を実現しているのかを語りながら、AI(人工知能)やマシンラーニングといった最先端の技術の採用とともに、その最大の武器となるのは日々の大量の取引データから大量のセキュリティ対策のためのアルゴリズムが生成され活かせることであると、同社の優位性が強調。暗号通貨の取引やペイメントへの導入は、たとえ飛躍は先であっても、その取引データの蓄積につながり、金融システムが転換期を迎えても同社がペイメントやセキュリティに関する技術のフロントランナーの地位を確保することができると自信を示した。

2020年の年間の業績としては、世界で3.7億人以上のアクティブユーザを獲得し、9,360億米ドルの取扱高を達成したというペイパル。投資家向けイベントでは5年後の2025年までにユーザ数も決済処理高も倍以上、7.5億人と2兆8,000億米ドルにまで引き上げるという計画がすでに公表されている。
技術陣のリーダーとしてのスリ氏もペイパルにとって肝心なのは、カスタマーの「信頼とセキュリティに裏打ちされた確かで素晴らしい体験」だと強調する。これまで蓄積してきたデジタル資産を活かしながら、金融業界のデジタルインフラからユーザー目線の利用環境をいかにスピーディーに刷新できるかが、ペイパルの優位性であり将来を左右すると語る。スリ氏は「わが社は、常にセキュリティマインドカンパニーとして歩んできた」とした。
インフラからモバイル端末まで、何ものも信頼しせず、脅威が発生する前に施策を講じるという意味で、ペイパルの基本姿勢が「ゼロ・トラスト・セキュリティ」であるとスリ氏語る。

セキュリティ確保のための技術的なポイント
コロナ禍やリモートワーク普及の影響は日本でも?
実際、スリ氏のスピーチの大半は、同社が取り組んでいる各種のセキュリティ対策を並べ、それをいかに維持向上させているかを説明することに費やされた。
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