2021年8月31日9:00
フードデリバリーサービス「Chompy(チョンピー)」を提供するChompyは、2021年8月26日に記者説明会を開催し、公式アプリ/WEB無料開設サービス「Chompy」のベータ版についての説明を行った。店舗はモバイルオーダーやCRM(顧客情報管理)ツールを決済手数料のみで利用可能だ。当日は、Chompy CEOの大見周平氏が新サービスについて紹介した。
コロナ禍でデリバリー市場が急拡大
国内では、共働き世帯や単身世帯が増加する中、日常の食生活に関する課題が増大している。また、食の流通問題を解消し得るフードデリバリー市場は、米国や韓国などに比べて市場が小さく、大きな伸びしろがある。Chompyでは、1年程前にベータ版をリリースした。現在は東京23区を中心に展開しており、渋谷を中心に広がっているそうだ。大見氏は「販促費は使っていませんが順調に伸びています」と説明する。
コロナ禍でデリバリー市場が成長しており、現在は年3,000億~4,000億規模に配達代行型のFD市場規模が拡大している。また、12~15万の店舗がデリバリーをしており、2年で10倍程伸びているとした。特に、飲食ECと呼ばれるテイクアウト、モバイルオーダー、サブスクリプションなどがここ1年で急拡大した。マクドナルドやスターバックのモバイルオーダーアプリに加え、Rettyやトレタ、Squareなどが市場に参入している。また、CRISP SALAD WORKSやTokyo Mix Curryなどのブランドが独自にサブスクリプション機能を導入。BASEでは、「フード・ドリンクカテゴリー」が1年で6倍と成長した。さらに、クラウドファンディングでも飲食による案件数と取扱額が増大している。
飲食ビジネスはリピータービジネスであり、CRM、ファンづくりは経営上必要だ。こういったECとの連携により、大手だけではなくSMB(小規模事業者)でもCRMを実施することが可能となった。上手く飲食ECを活用できているブランドでは、売り上げの大半をECが占める事例も出てきている。
競争激化が顕著に、デリバリーPFの3つの課題
飲食ECを利用する顧客の傾向として、デリバリーが日常化する中で2~5店舗のお気に入り店舗を繰り返し注文する傾向が見受けられる。実際、Chompyでも70%の注文が過去注文した店舗となっているそうだ。また、市場規模よりも参入ブランド数の拡大の方が速く、デリバリープラットフォーム上での顧客囲い込みが激化しており、1店舗当たりの売り上げが減っているという。
国内でも複数のデリバリープラットフォームが活動しているが、大見氏は3つの課題があるとした。1つめが収益を上げずらい構造で、「30%以上の手数料があり、10%程が広告費に使われている」とした。2つめが、安価で有名、マーケティングが上手なブランドが上位に表示され、ファンを作りづらい構造があると指摘した。3つめが、プラットフォームとの主従関係のため、ダイレクトなコミュニケーションがとりにくい点を挙げた。
飲食ECでは、各社ブランド独自のファンや売り上げの積み上げを目指しているが、適切なツールがなく非効率的な取り組みになっている事例も多いとした。飲食ECの日常化で固定ブランドへのリピートニーズが高まっている。飲食・小売りブランドは、ファンの囲い込みをしたいと考えているが、既存プラットフォーマーは制約が多く実現が難しく、脱プラットフォームのニーズが高まっているという。一方で、脱プラットフォーマーを支援する適切なツールがなく、成功事例が出しづらい。Chompyでは、SMBの脱プラットフォーマーの実現をサポートするソリューションを提供できれば、飲食EC市場において意義のある流通インフラを生み出せると考えている。
店舗とファンとのつながりを深めるアプリを目指す
新たに提供を開始する公式アプリ/WEB無料開設サービス「Chompy」は、飲食小売ブランドの公式アプリを持つことができるサービスだ。店舗とファンとのつながりを深め、各ブランドごとにスマートフォンを通じてファンコミュニティを形成できるとした。
具体的には、モバイルオーダーとCRMツールを提供する。オールインワンのモバイルオーダーでは、イートインからデリバリーまでさまざまな注文を1つでカバーできる。また、クーポン、スタンプ、サブスク等の機能を用意。さらに、機能も店舗の個性に合わせて設定可能だ。費用は、初期費用・月額固定日なしの、取引手数料のみで提供する。取引手数料はイートインが4%(通常6%だが現在キャンペーン料金)、テイクアウトが6%、デリバリーが16~26%となる。
現在の導入ブランドは、北海道スープカレーSuage、ototo DELI、bricolage bread & co.、イテウォンボウルズ、FineDays、ゴーゴーカレー、GRIT TODAYとなるが、他にも50ブランド以上の導入が決定している。α版で先行リリースしている取り組みでは、取引総額は着実に伸びているそうだ。
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