【認定試験機関が解説】EMVCoの静電気試験(テュフズードジャパン)

2021年9月28日8:00

EMVCoには、静電気の問題に関連したESDという評価試験が存在する。ESDとはElectrical Static Dischargeの略で、静電気の放電現象を指す。静電気は短い時間ながら非常に高い電圧を発生させることがあり、電子機器に対し誤作動やダメージを与えることがある。当然決済端末でも以前から対策はとられているが、近年異素材ICカードとして採用されている金属製カードが増えたことにより、この静電気の影響が広がっているのが現状である。

そのため、今年6月2日の掲載記事「ICクレジットカードに関するあれこれ」でも少し触れたが、本稿ではEMVCoが規定しているESD試験について解説する。

記事のポイント!
①ESD評価試験は接触Level 1 IFMおよび磁気ストライプリーダーが対象
②放電の種類は2つに区別
③放電の種類を定義して各テストシナリオを実現
④テスト構成は?
⑤テスト用に提出される端末について
⑥標準的な±12kVの空気放電を実施
⑦トラブルのない対面決済に向けて

・ESD評価試験の概要

この 評価試験は、決済端末である接触Level 1 IFMおよび磁気ストライプリーダーを対象としている。 

ESD評価試験の基本的な概念としては、ICカードリーダーと磁気ストライプリーダーを搭載した端末への静電気放電に対する評価を、数種類の放電と数レベルの電圧で実施することである。 

対象となる製品は認証済みのEMV接触レベル1 IFMではあるが、ATM やオートローディングタイプのものには適用されないことに注意したい。

また対象の機器に磁気ストライプリーダーが搭載されている場合、その磁気ストライプリーダーも評価される。

ESD評価試験は、ICカードを決済端末に挿入した時や、磁気スロットを使用した時など実運用時を想定した内容になっている。

カードホルダー、つまりカードを差し込んだ人間やカードからの放電に加え、カード内のアンテナ、チップ、またホログラムタイプの磁気ストライプからの放電なども想定している 

・使用機器について

EMVCoのESD評価試験では放電の種類は2つに区別されていて、帯電したカード所有者からカードを介し伝わるものをHuman Body Model(HBM)、帯電したカードから直接発生する放電をCharged Device Model(CDM)と呼んでいる。

さらに評価の際に使用するESDガンという機器から放電がされるのだが、それに接続可能なカード型のプローブが非常に重要である。このプローブは評価の際にICカードの代わりになるもので、ISO7810 で定められたID-1カードと同じ幅と厚さのプリント基板となっている。また表面に様々な加工が施されているのが特徴で以下のような種類が存在する。

タイプIプローブ  放電種類:HBM
帯電した人体から、露出した金属製のエッジを介してリーダーへの放電をシミュレートするために使用。このプローブの絶縁性のカード本体と カード部分の片側の外周には、幅3mmの銅箔のリングが加工されている。

タイプ II プローブ  放電種類:CDM
金属箔で覆われたカードやオールメタルカードのエッジ、またはフェイスからリーダーに直接放電された状況をシミュレートするために使用。

このプローブは絶縁性のカード本体とカード表面の片側に全面メッキされた銅プレーンを備えている。

タイプIIIプローブ  放電種類:CDM
ホログラムタイプの磁気ストライプをシミュレートするために使用。

絶縁性のカード本体と、導電性の磁気ストライプを表すメッキされた銅片を備えている。

タイプIVプローブ  放電種類:CDM
このプローブは接触、非接触カードを想定しており、アンテナとモジュールからの直接放電をシミュレートする。絶縁性のカード本体と、コンタクトパッドに接続されたアンテナを表す銅製のリングが加工されている。

タイプVプローブ  放電種類:HBM
接触、非接触カードのアンテナに容量結合した放電をシミュレートするために使用。このプローブは、絶縁性のカード本体と、コンタクトパッドに接続されたアンテナを表す銅製のリングを備えている。

ESDガンからの放電とこれらカード型のプローブ、さらにHBMやCDMといった放電の種類を定義することで、実運用時に近い状況で端末のICチップ読み取り部分や磁気ストライプスロットへの各テストシナリオを実現している。

ESD(静電気放電)ガン

・テスト構成

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