2021年12月8日8:00
日本電子決済推進機構(以下「JEPPO」)は、2019年10月に先行取扱いを開始した「Bank Pay(バンクペイ)」を本格的にスタートさせた。取扱金融機関は2021年中に120行超に増加予定、利用可能な加盟店は13万か所以上になるなど利用環境が拡大した。金融機関のキャッシュカードをそのまま使って、全国の加盟店で直接支払いができる即時決済サービスである「J-Debit(ジェイデビット)」と同等の約1,000の金融機関の参加を推進し、オールバンク体制を構築することで、加盟店に参加を呼びかけ、さらなる利用シーンの拡大を目指す。また、企業オリジナルアプリとの連携も強化していく。
記事のポイント!
①MPMとCPMに対応可能
②決済手数料は加盟店金融機関が加盟店と交渉、活用しやすい水準を意識して設定
③セキュリティを強化し、約1年遅れでの本格展開
④全国のセブン-イレブン店舗など加盟店も広がる
⑤企業のオリジナルアプリは好感触
⑥「UNIQLO Pay」「ASTARI」「TOYOTA Wallet」の決済機能で採用
⑦2021年中に120行超に拡大する予定
⑧オールバンク体制の構築を急ぐ
⑨「ジェイデビットのインフラを有効活用し、中間事業者も少ない中で顧客ニーズにしっかりと対応していく持続可能なスキーム」、今後の展開は?
MPMとCPMに対応
金融機関の口座から即時引き落とし
バンクペイは、日本全国の金融機関が加盟するJEPPOが提供するスマートフォン決済サービス。2019年秋から先行取扱をスタートした。金融機関の口座と紐づけて利用するので事前のチャージが不要で、利用代金は金融機関の口座から即時に引き落とされる仕組み。
利用者アプリで加盟店側のQRコードを読み取る方式(MPM)とPOSレジなどで利用者アプリのQRコードを読み取る方式(CPM)の両サービスに対応している。地域金融機関が地元の加盟店の開拓を進めている一方、大手金融機関がゲートウェイ事業者を通じ、全国チェーンの加盟店を中心に利用拡大を推進している。
決済手数料については、加盟店金融機関が加盟店と交渉する。例えば、百五銀行の加盟店手数料率は1.2%となっており、活用しやすい水準を意識して設定しているケースが多いという。契約した加盟店金融機関には取り扱いの際の加盟店手数料が入る仕組みだ。
よりセキュリティを重視した利用環境を確保するため、2020年秋には新規口座登録の受け付けと一部金融機関の登録済み口座での決済サービスを停止。SMS認証や、フィンテック企業のポラリファイが提供するeKYCシステムの導入による利用登録時の本人確認の厳格化に加え、利用限度額の上限見直しや不正取引モニタリング高度化など、セキュリティレベルの向上を図ってきた。これらの取り組みを形にしたことから、約1年遅れでの本格展開に至ったという。
大手加盟店としてセブン-イレブンが採用
「UNIQLO Pay」「ASTARI」「TOYOTA Wallet」の決済機能としても採用
利用可能な加盟店の拡大については、コンビニエンスストアチェーンを展開するセブン-イレブン・ジャパンの決済サービスの1つとして採用され、全国のセブン-イレブン店舗で、バンクペイアプリを利用した支払いが可能になっている。
その他にも、スーパーマーケット、家電量販店、薬局・ドラッグストア、百貨店、飲食店、施設・ホテル、雑貨・ホームセンターなど、全国13万か所以上での利用が可能になっている。引き続き、さらなる加盟店の拡大を進めていき、あわせて利用者に対するバンクペイの認知向上および利用促進に向けて、キャンペーンの実施を計画している。
また、企業のオリジナルアプリとの提携も進めており、ニーズがあるという感触を得ている。これらは、バンクペイが黒子となり、決済部分の機能をOEM提供するサービスだ。
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