2022年4月6日8:30
ジャックスでは、フィッシング詐欺などによるクレジットカード不正利用の急増に対応するため、2021年10月、クレジットカード不正検知システムにAIアルゴリズムを導入した。日々アップロードされる最新のデータを用いてリモデリングされるアルゴリズムにもとづき、AIが取引の正当性をスコアリングする。これにより、人手で行うルール作成、モニタリングの業務量をカバーするとともに、社員の利用者との連絡、利用明細の書き替えといった後続作業の負担を軽減させることにつながった。一方で真正利用の阻害は最小限に抑えられており、当初の見込み以上に利益への貢献度が大きいと、同社は導入の効果を高く評価している。(書籍「ペイメントビジネス・セキュリティ対策の仕組み」より)
急増するカード不正利用に対応
ACEPlus にAIアルゴリズムをカスタマイズ
ジャックスは、クレジットカードの不正利用検知に、PKSHA Technology(パークシャ・テクノロジー: PKSHA)が提供するAIアルゴリズムを活用している。PKSHAの「PREDICO for Financial Intelligence」を、同社で稼働しているインテリジェントウェイブ(IWI)のクレジットカード不正利用検知システム「ACEPlus(エースプラス)」に合わせてカスタマイズし、導入した。カード会社のPKSHAのAIアルゴリズム導入事例は、クレディセゾンに続いて2例目となる。
日本のカード業界では2020年ごろからフィッシング詐欺が増加。ジャックスもまた、カード情報盗用による不正利用被害の急増に悩まされていた。同社では人手によるルール作成によって「ACEPlus」で不正利用対策を行っていたが、経験、知見豊富な人材の確保を含め、人手での対応には限界がある。これをなんとか自動化したいと考えていたとき、IWIからAI導入の提案があり、検討を開始。2021年2月に導入決定を発表し、過去のデータを用いたPoC(Proof of Concept:概念実証)を経て、9月下旬にオフラインで試験的に利用を開始、10月からオンラインで本格始動するに至った。
前日までのデータを使い
アルゴリズムを毎日リモデリング
AI導入当初は、従来のルール作成をメインに、半年から1年かけて徐々にAIの活用を広げていく計画だった。しかし「AIが予想以上に賢くて、検証期間は半年も要らないという結論になり、12月からAIを前面に立たせる体制をとりました」とジャックス カード・ペイメント業務部 石﨑隆氏は説明する。
AIアルゴリズムは、前日から直近の一定期間のデータを用いて日々リモデリングされる。加えて、そのリモデリングが正しかったかどうかを週単位で検証する。これを、人的リソースを使わず、自動で行う。
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