2011年2月21日7:00
非接触IC決済事業者に聞く~MasterCard「MasterCard PayPass」(2)
海外におけるこれまでの推進の成果は?
PayPass機能搭載の腕時計、キーホルダーも登場
2002年、MasterCardがPayPass開始以来、広範囲な研究/開発を行うとともに、カスタマー、金融機関、加盟店、顧客に適用する前に、決済に関する実証実験を行っている。MasterCardのR&Dでは、非接触決済取引に関係するすべての関係者を保護するために、PayPassのセキュリティに焦点を当てている。PayPass技術は、現在、ファーストフード店をはじめ、ガソリンスタンド、薬局、スポーツスタジアム、映画館などの主要な加盟店で利用されている。
2006年以来、PayPassは、カード式だけではなく新しい形状でも展開している。例えば、大リーグ・ジャイアンツ球場のPayPass機能搭載リストバンドや2006年のFIFAワールドカップ大会には、PayPass機能搭載の腕時計、キーホルダーなどが登場した。現在は、世界中で、PayPass機能搭載の携帯電話の実証実験を行っている。
下記ページに、MasterCard PayPassについての歴史をまとめた。
海外におけるPayPassのNFC展開
韓国やインドでも実証実験を実施
携帯電話は、今や通信技術以上の役割を果たし、PayPassのカギとなるツールとして進化し続けている。MasterCardでは、携帯電話をかざすだけで支払いを行うことができるようにするため、各地域のプロバイダと提携している。現在では、世界中のさまざまな場所で、PayPass機能搭載の携帯電話の実証実験を行っている。
MasterCardが導入した最近の技術としては、前述のように日本において、ソフトバンクモバイル、オリエントコーポレーション、クレディセゾン、ジェムアルト、共同印刷、HTC Corporation、Trusted Logic S.AがNFC技術を用いAndroid 2.2搭載スマートフォンによる、国際標準規格に準拠した非接触IC決済サービスの実証実験を開始した。韓国では、移動通信事業者3社(SK Telecom、LG TeleCom、KTF)と提携し、PayPass機能搭載の携帯電話の実証実験を行っている。
インドでは、Citi、Vodafone、Nokiaと提携して、世界最大となるNFC対応の携帯電話にPayPass機能を搭載する実証実験を行い、4万件以上が取引され、50万米ドルの決済が行われた。シンガポールでは、ジェムアルト社と、Gemalto Upteq N-Flex ソリューションが搭載されたMasterCardPayPass対応のNFCデバイスの実証試験の実施を発表した。
Over-the-Air Provisioning Serviceを
発行会社が利用できるよう取り組む
今後、消費者は、ますます安全、便利、迅速な決済方法を望むと見込まれるので、非接触決済は現金や小切手の支払いから電子決済へと世界の流れは大きく変わっていくだろう。MasterCardは、消費者の需要を満たすために、業界のパートナーと共に、引き続き革新をもたらすよう尽力していきたいとしている。
MasterCardでは、さまざまな生活シーンに対応する携帯電話の増加に伴いPayPass機能搭載の携帯電話の実証実験を続けていく方針だ。また、携帯電話による決済ニーズの高まりに応え、MasterCardは、今まで以上に決済サービスを迅速に効率的に行うことができるOver-the-Air Provisioning Serviceを発行会社が利用できるよう取り組んでいく。
さらに、交通機関やスポーツスタジアム、コンビニエンスストアなど、迅速な小額決済取引が必要な環境の場所において、PayPassの利用ができるよう促進していきたいとしている。