Visa、BtoB取引でカード決済が利用できない加盟店にも対応する「BPSP」とは?

2022年10月6日8:30

国内では、BtoB(企業間取引)決済でカード決済を受け付けている加盟店はまだ数少ない。そんな中、Visaでは、カードで支払いを行いたい購入者とカード支払いを受け付けていない販売先の決済の橋渡しとして「BPSP(Business Payment Solution Provider)」のスキームとルールの整備を行っている。国内でも2022年4月以降、複数の企業がサービスを提供しており、今後も提供企業は増える見込みだ。「BPSP」の概要や今後の展開について、Visaに話を聞いた。

ビザ・ワールドワイドジャパン ビジネスソリューション 部長 井上直樹氏

記事のポイント!
①経費のカード決済は2%しかない
②B2B専用決済システム「Visa Business Pay」を提供
③「BPSP」のルールを2017年に制定
④Visa加盟店ではないサプライヤーに対するカード払いが可能
⑤三井住友カードやクレディセゾンが取り組む

⑥アクワイアラはVisaへの登録申請が必要
⑦海外でもインドやシンガポールなどで広がり
⑧提供の形もそれぞれの特徴が表れる
⑨今後は支払いの種類の1つとして提供されるケースも?
⑩手数料はサービス提供各社で決定
⑪最終的な金額が確定した場合のみ使用
⑫初動としては悪くない数字に
⑬BtoBにとって便利な世の中を目指す
⑭BtoB決済で成長をしている決済手段は?
⑮新たなBtoBサービスの国内展開も準備
⑯給与デジタル払いの法改正への見解は?

経費のカード決済は2%ほど
BPSPでBtoB決済のすそ野を広げる

国内の法人決済は請求書による支払いが多く、カード決済を受け付けている企業はまだまだ少ない。仕入れや原材料費をはじめ、「ベンダーに払う経費全体の2%ほどしかカードで支払われていません」とビザ・ワールドワイドジャパン ビジネスソリューション 部長 井上直樹氏は実態を述べる。

VisaのBtoB決済の取り組みとして、2014年4月から、B2B専用決済システム「Visa Business Pay」を提供している。「Visa Business Pay」は、サプライヤー企業がVisa加盟店となり、バイヤー企業がVisaカードを使用することで、同システムを通じて代金の請求と決済が可能だ。また、アクワイアラ(カード加盟店契約会社)連携してVisaの決済ができる加盟店の開拓は進んでいるものの、「加盟店化は時間と労力がかかるのでお客様のニーズを網羅できる規模で広がっていません」と井上氏は打ち明ける。

Visaでは、BtoB決済の広がりに向けて「BPSP(Business Payment Solution Provider)」のルールを2017年に制定した。BPSPは、カード決済を行いたいバイヤーと、カード決済を受け付けていないサプライヤー(カード非加盟店)の橋渡しを行うソリューションとなる。Visaが定めるルールを満たしたサービスプラットフォームを通じて、Visa加盟店ではないサプライヤーに対するカード払いが可能になります」(井上氏)。BPSPを経由することで、バイヤーはカードで支払いを行い、サプライヤーは従来通り振込みで売上回収をする。例えば、バイヤーはクレジット決済の場合、50~60日間引き延ばした資金調達が可能だ。

BPSPの概要

三井住友カード、クレディセゾンが取り組む
アクワイアラは、Visaへの登録申請が必要

国内のBPSPも広がりを見せている。三井住友カードがNTTコムウェアと連携して参入しているほか、クレディセゾンがUPSIDERとの共同事業としてサービスを展開している。今後もさらなる事業者の増加を見込んでいるそうだ。

BPSPを展開するアクワイアラは、Visaへの登録申請が必要となる。「カード払いや関係者間での支払いを可能とするのに必要な機能やインターフェース等を有するプラットフォームを準備いただきます。また、(バイヤーは)カード決済をする際にアクワイアラと接続する作業がありますので、この3つをベースとしてご準備いただきます。」(井上氏)。BPSPの展開は、テクノロジーに長けたFinTechベンチャーなどが金融機関と連携してソリューションを提供するケースも増えている。

海外でもBPSPが徐々に広がっている。例えば、アジアでは、インドやシンガポールを中心に広がりを見せている。インドのPayMate India では、バイヤーとサプライヤーの間のプロセスを簡素化するプラットフォームを提供しており、購買プロセスを提供する中でBPSPがシステムの中に組み込まれている。バイヤーとサプライヤーの取引に加え、税金の支払いも可能だ。また、シンガポールでもSGeBIZなどがBPSPを提供している。

インボイス発行システムとの連携も
手数料は提供者が決定

具体的な提供の形もそれぞれの特徴が出てきている。UPSIDERは最短1分で最初の振込予約が処理できるユーザビリティ、三井住友カードは業界最低水準の3%の手数料や事業継続性を売りとしている。

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