Visa、クレジットカードを使用した請求・支払いサービス「BPSP」などBtoB決済を強化

2022年11月18日9:50

国内でも売り手企業が発行した請求書の支払いを買い手企業がカード決済できる「BPSP(Business Payment Solution Provider)」の提供プロバイダーが増えている。Visa アジア・パシフィック ビジネスソリューションズ ヘッド Chavi Jafa氏にアジア太平洋地域におけるBPSPの状況について話を聞いた。Visaでは、バーチャルカード決済の「Visa Payables Automation」の提供などBtoBのカード決済ソリューションを強化している。

Visa アジア・パシフィック ビジネスソリューションズ ヘッド Chavi Jafa氏

BtoB決済市場は伸びしろが大きい
BPSPのスキームとルールを整備

Jafa氏によると、世界のBtoB決済のトランザクションは、120トリリオン$(120兆$)になる。そのうち50トリリオン$がアジア・太平洋地域で、4トリリオン$が日本になるという。クレジットカードなどの国際ブランド決済は世界のBtoB決済の1%に満たない。キャッシュレス化が進む中、BtoBのカード決済は伸びしろが大きく、Visaとしては中小企業、大企業、政府機関と連携して、市場の拡大に向けて取り組んでいる。また、決済に加え、請求管理など周辺のソリューションとの連携にもフォーカスしている。

ここ2年はコロナ禍により、法人のデジタル化が進行した。「店頭からオンラインにシフトするだけではなく、決済に関しても支払いを行う、受け取るというデジタル化が進んでいます」(Jafa氏)。Visaの利用者、銀行やカード会社といったクライアント(法人企業)からもデジタル化を進めたいという声がある。

パンデミックはデジタル化を加速させたが、Visaではそれ以前の2017年からBtoB決済の加速に向けて「BPSP」のスキームとルールを制定している。BPSPは、カード決済を行いたい買い手企業と、カード決済を受け付けていない売り手企業(カード非加盟店)の橋渡しを行うソリューションだ。BPSPにより、バイヤーはカードで支払いを行い、サプライヤーは従来通り振込みで売上回収をすることができる。Jafa氏は「利点は2つあり、1つはクレジットカードをお持ちの方がサプライヤーにカード決済で支払えることです。もう1つはEnd to Endの支払いの照合ができることです」と話す。BPSPにおいて、バイヤーとサプライヤーは厳重な本人確認をすることが求められている。また、買い手のカード支払い時は、従来使用するカードの与信枠の範囲内で支払いが可能だ。

売り手、買い手の支払方法も柔軟性がある?
BPSPの取引量は30%増える

BPSPは国内では三井住友カードとNTTコムウェアクレディセゾンとUPSIDEROLTAROBOT PAYMENTなどの参入が発表されている。また、Visa以外のペイメントブランドでもサービスの提供が進むなど注目の分野だ。アジア・太平洋地域では、ここ2~3年、インドやシンガポールでBPSPの利用が拡大しているとした。

日本では現状、買い手側がカード決済の手数料を負担する形で展開されているが、「BPSPは買い手企業が手数料を支払う、売り手が支払う、両者で折半するといった柔軟性があります」とJafa氏は話す。売り手と買い手との関係性により、手数料の支払いをコントロールできる面もある。そこには、早期に決済した場合の割引も含まれる。また、買い手企業にとっては、カード決済にプロセスが集約できる点もメリットだという。

Visaによると、BPSPはアジアからスタートした概念だという。例えば、サービスを提供するインドのPayMate India は、インドから中東、シンガポールに展開国を広げている。また、シンガポールのSGeBIZなどがBPSPを提供している。Jafa氏は「21年から22年にかけて前年比でアジアにおけるBPSPの取引量は30%増えています」と成果を述べる。日本では、SME(中小企業)の買い手を中心にBPSPが行われているが、大企業や中小企業が支払いを行うケースもある。一方で、BPSPは成長しているが、まだまだ認知の面で課題があるとした。

Jafa氏は「BoB決済は市場が大きいので、銀行、ネットワーク、BPSPプロバイダーなどがソリューションを提供すれば、ベネフィットが得られます」と語る。また、日本の市場に関してはデジタル化が進んでいるため、ポジティブに捉えているという。

シンガポールで行われた「Singapore Fintech Festival2022」のVisaブースでは、購買において1回限りのバーチャルカードを発行する「Visa Commercial Pay」を紹介
リアルタイムプッシュ型決済プラットフォーム「Visa Direct」

「Visa Payables Automation」はStripeと提携
特定の業界にカスタマイズした支払いも強化

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